BSPD(Backside Power Delivery Network)は、半導体チップのウェハ裏面(バックサイド)から電源・グラウンド配線を供給する技術です。従来のフロントサイド配電では信号配線と電源配線が同層に競合するため、微細化によりIRドロップや電源ノイズが深刻化します。BSPDNはこの問題を電源配線を裏面に分離することで根本解決します。
Intelは2024年にIntel 20AでPowerVia技術として実証、Intel 18A量産ノードで業界初採用を発表しています。TSMCはN2・N2Pには搭載せず、次のA16でSuper Power Railと呼ぶ裏面電源供給を導入する計画です。BSPDNにより表面の信号配線密度が向上し、電源ノイズ低減によるCPU・GPU性能向上(最大10〜15%の消費電力削減)が期待されます。
製造プロセスでは、ウェハ仕上げ後に基板を薄化し、バックサイドからNano-TSVを形成します。ALD・CVDによるウェハ裏面への成膜とEUVリソグラフィによる超微細パターニングが必要で、Applied Materials・Lam Research・ASMLの最先端装置が要求されます。GAAトランジスタとBSPDNの組み合わせが次世代ロジックの標準構成になると見られています。