最終更新 2026-10-10

CCPとは(容量結合プラズマ)

CCP (Capacitively Coupled Plasma)

CCP(容量結合プラズマ)とは、平行平板状の2枚の電極間にRF電力を印加し、電界でガスを電離させてプラズマを生成する方式です。構造がシンプルで高いイオンエネルギーを得やすいため、高アスペクト比の酸化膜エッチングやPECVDに適します。ICPに比べプラズマ密度は低いものの、多くのドライエッチング装置で長年使われてきた基本方式です。

目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. よくある質問
  5. 設備の製造メーカー
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

CCP(Capacitively Coupled Plasma:容量結合プラズマ)は平行平板電極間のRF電界でプラズマを生成するシンプルな方式。PECVD・エッチング装置に広く採用。ICPとの違い(密度・独立制御性・均一性)とデュアル周波数CCPの特徴をわかりやすく解説。

CCP(Capacitively Coupled Plasma:容量結合プラズマ)とは、平行平板状の上下2枚の電極間に高周波(RF)電力を印加し、電極間の電界でガスを電離してプラズマを生成する方式です。シンプルな構造から最も基本的なドライエッチング方式として長年使われており、現在も多くの半導体エッチング工程・PECVD装置に採用されています。

CCPの動作原理は、上部または下部電極(あるいは両方)にRF電力(13.56 MHz または 27 MHz、60 MHzなど)を印加すると、電極間に交番電界が形成されガスが電離してプラズマが生成されます。RFシース(プラズマと電極の境界層)でイオンが加速され、ウェハ表面に垂直に入射することで異方性エッチングが実現します。デュアルフリーケンシー(DFシステム:2周波CCP)では、高周波(HF:プラズマ密度制御)と低周波(LF:イオンエネルギー制御)を独立に調整できます。

ICPと比較したCCPの特性は、①プラズマ密度は低め(10⁹〜10¹⁰ cm⁻³、ICPの1/10〜1/100)、②チャンバー圧力は比較的高め(10〜200 mTorr)、③構造がシンプルで低コスト、④大面積ウェハへの均一プラズマ生成に優れる、です。プラズマ密度と独立制御性ではICPに劣りますが、300mmウェハの均一処理・コスト・信頼性でCCPが選ばれる用途も多くあります。

CCPの代表的な半導体用途は、シリコン酸化膜(SiO₂)・窒化膜(SiN)のエッチング(層間絶縁膜コンタクトホール等)、フルオロカーボンガス(C₄F₈・CF₄)を用いた絶縁膜の高選択エッチング、BEOL配線のビアエッチングなどです。PECVD装置でもCCPプラズマが標準で使われており、SiO₂・SiN薄膜の低温成膜に適しています。先端ロジックでは精密制御のためICPが多用されますが、成熟ノードではCCPが引き続き主力です。

CCP搭載エッチング装置の主要メーカーはLam Research(2300 Flex CCP)、Applied Materials(Producer Etch、Mesa)、東京エレクトロン(CCP Etch)、Hitachi High-Tech(日立ハイテク)です。CCPはPECVD成膜でも主要プラズマ源として、Applied Materials(Producer GT)・Lam Research(Vector)に搭載されています。

図解

CCP(容量結合プラズマ)の構成(上部電極・シース・プラズマ・ウェハ・下部電極)
構造が単純で、ドライエッチング装置で長く使われてきた基本方式。

紛らわしい言葉の切り分け

ICPとCCP。違いはプラズマの作り方です。ICPはコイルの誘導電界で高密度のプラズマを作り、プラズマの密度とイオンのエネルギーを別々に制御できるため、導体のエッチングに使われます。CCPは平行平板の電極間でプラズマを作り、強いイオン衝撃を得やすいため、酸化膜など絶縁膜のエッチングに使われます。 比較記事 →

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この用語を扱う職種

前工程(ウェハプロセス)エッチングエンジニア(ドライエッチング工程)装置・材料メーカープラズマ技術エンジニア

よくある質問(FAQ)

CCPの特徴は何ですか?
平行平板構造がシンプルで安定しており、電極間の電界で加速された高いイオンエネルギーが得られることです。この強いイオン衝撃により、硬い酸化膜や窒化膜を高アスペクト比で垂直に削ることができます。
なぜ酸化膜エッチングにCCPが使われるのですか?
SiO₂は結合が強く化学反応だけでは十分に削れないため、高エネルギーイオンによる物理的な衝撃が必要だからです。CCPは高いバイアス電圧をかけやすく、3D NANDのような超高アスペクト比の穴あけに適しています。
デュアル周波数CCPとは何ですか?
高周波(プラズマ生成用)と低周波(イオンエネルギー制御用)の2つのRF電源を組み合わせた方式です。単一周波数ではプラズマ密度とイオンエネルギーが連動してしまいますが、周波数を分けることである程度独立に制御できるようになります。

設備の製造メーカー

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出典・参考資料

  1. サムコ「ドライエッチング装置とは」(2026/10/10 確認)