RF電源(高周波電源、RFジェネレータ)は、プラズマを生成・維持するための高周波電力をチャンバーへ供給する装置部品です。エッチング・PECVD・PEALD・スパッタなど、プラズマを使うすべての工程で使われ、投入電力の安定度と応答速度がプラズマ密度とイオンエネルギーを決めるため、プロセス結果を直接支配するサブシステムです。
使用周波数は用途に応じて使い分けられます。産業科学医療用(ISM)バンドの13.56MHzが基本で、プラズマ密度を上げたい場合は27MHz・60MHz・100MHz級の高周波を、イオンエネルギーを制御したい場合は400kHz〜2MHz級の低周波を使います。CCPエッチング装置では、高周波でプラズマ密度を、低周波でバイアス(イオン入射エネルギー)を独立に制御する2周波・3周波構成が標準になっています。
近年の中心技術はパルス変調です。連続波(CW)ではなく数kHzでオン・オフを繰り返すことで、電子温度とラジカル・イオンの比率を時間軸で制御でき、選択比の向上、チャージングダメージの低減、高アスペクト比エッチングのプロファイル制御に効果を発揮します。複数のRF電源を同期させたパルス制御(シンクロパルス)も実用化されています。
電源に求められる性能は、出力精度(±1%級)、立ち上がり時間(数十μs〜)、負荷変動への追従性です。プラズマは着火の瞬間にインピーダンスが激変する非線形負荷であるため、反射波を検出して保護しつつ、素早く目標電力へ整定する制御が必要です。実際の投入電力を正確に把握するため、電源側とマッチング側でVI(電圧・電流)プローブによる計測が行われます。
主要メーカーはAdvanced Energy・MKS Instruments・ダイヘン・京三製作所など。装置メーカーはこれらの電源とマッチングネットワークを組み合わせてチャンバーを設計するため、電源はプロセスレシピの移植性を左右する重要な調達部品となっています。