GLOSSARY

フォーカスリング(エッジリング)とは

Focus Ring / Edge Ring
最終更新:2026-08-12消耗部品・部品洗浄/再生エッチング装置

フォーカスリング(エッジリング)とは?

フォーカスリングとは、エッチング装置でウェハの外周を囲み、端部で曲がるプラズマシースを補正してイオンの入射角を揃える環状の消耗部品です。これが無いと外周チップのホールが内側へ傾き、歩留まりが落ちます。Si・SiC・石英製で放電により徐々に削れるため、交換周期の管理と、その場で高さを補正するエッジリング昇降機構が装置の稼働率を左右します。

定義・解説

フォーカスリング(エッジリング)は、プラズマエッチング装置のウェハ外周を取り囲むように配置される環状の消耗部品です。ウェハ端部でプラズマシース(プラズマと電極の境界層)が曲がるのを補正し、イオンの入射角をウェハ中心部と揃えることで、外周のエッチング形状の傾き(チルト)とCD(寸法)ずれを抑える役割を担います。

ウェハの縁ではシースが下方へ湾曲するため、補正が無いとイオンが斜めに入射し、外周チップのホールやトレンチが内側に傾きます。フォーカスリングはウェハと同じ高さ・同じ材質特性の「延長」をつくることでシースの形を平坦に保ちます。材質にはシリコン(Si)・炭化ケイ素(SiC)・石英が使われ、プロセスガスとの反応性やパーティクル発生の観点から選定されます。

フォーカスリングは連続放電で徐々に削られる典型的な消耗部品です。厚みが減るとシース形状が再び崩れ、ウェハ外周の歩留まりが低下するため、従来は定期的にチャンバーを開けて交換していました。この交換ダウンタイムはファブのアップタイムを直接削るため、近年はリング高さをその場で機械的に持ち上げて補正する「エッジリング昇降機構」や、消耗量を実測して寿命を予測する仕組みが装置に組み込まれています。

リングの消耗はパーティクルの発生源にもなります。削られたSi・SiC粒子がウェハに落ちれば欠陥となるため、材質の高純度化や耐プラズマコーティング(イットリア溶射など)による長寿命化が進められています。300mmウェハでは外周数mmの領域に数十個のチップが並ぶため、エッジリングの管理は「外周歩留まり」という形で直接的な経済価値を持ちます。

供給側は、装置メーカー純正品に加え、部品メーカー・再生サービス事業者が競合する市場です。日本ではトーカロなどが再生・コーティングを担い、消耗部品としての交換周期短縮と再生品質がファブのランニングコストを左右します。

よくある質問(FAQ)

フォーカスリングは何のためにあるのですか?
ウェハ端部でプラズマシースが下方へ曲がり、イオンが斜めに入射するのを防ぐためです。ウェハと同じ高さの「延長」を作ることでシース形状を平坦に保ち、外周のエッチング形状の傾き(チルト)とCDずれを抑えます。無ければ外周チップが不良になります。
フォーカスリングはなぜ消耗品なのですか?
プラズマに直接曝されて少しずつスパッタ・エッチングされ、厚みが減っていくためです。厚みが規定値を下回るとシース形状の補正が効かなくなり外周歩留まりが落ちるため、定期交換が必要です。削れた粒子はパーティクル源にもなります。
エッジリングの交換によるダウンタイムはどう減らしますか?
リング高さをその場で機械的に持ち上げて消耗を補正する昇降機構や、消耗量から寿命を予測してPMをまとめる運用が採られます。加えてイットリア等の耐プラズマコーティングで消耗速度そのものを下げるアプローチもあります。

設備の製造メーカー

Lam Research米国

エッチング装置の世界的リーダー。約39%の市場シェアを持ち、原子層エッチング(ALE)技術で先端3Dチップアー…

企業詳細を見る →
東京エレクトロン(TEL)日本

世界第3位の半導体製造装置メーカー。塗布現像、成膜、エッチング装置で高いシェアを誇り、先端プロセスに不可欠な技…

企業詳細を見る →
トーカロ(TOCALO)日本

溶射加工の国内最大手。半導体製造装置のチャンバー内部品にイットリア(Y₂O₃)などの耐プラズマ皮膜を施し、パー…

企業詳細を見る →
京セラ日本

ファインセラミックス技術を核とする国内大手メーカー。半導体パッケージ基板・水晶デバイス・電子部品を幅広く展開し…

企業詳細を見る →

関連カテゴリ

消耗部品・部品洗浄/再生
エッチング装置

関連用語

静電チャック(ESC)とは →プラズマエッチングとは →CCP(容量結合プラズマ)とは →イットリア溶射コーティング(耐プラズマ被膜)とは →パーティクル汚染(発塵管理)とは →チャンバーライナー(デポシールド)とは →

同じトピックの用語

プラズマチャンバー部品・消耗品 のトピックで関連する用語です。

シャワーヘッドとは →石英部品(石英ガラス部材)とは →セラミックヒーター(AlNヒーター)とは →サセプタとは →Oリング・シール材とは →RF電源(高周波電源)とは →インピーダンス整合器(マッチングボックス)とは →リモートプラズマ源(RPS)とは →

同じトピックの企業

日本ガイシ(NGK Insulators)日本TOTO日本クリエイティブテクノロジー日本信越石英日本バルカー(Valqua)日本Advanced Energy Industries米国

比較・違いを学ぶ

石英部品とセラミック部品の違い(装置内部材の比較)
半導体製造装置のチャンバー内部材は、高温・プラズマ・腐食性ガスという過酷な環境で、金属汚染を起こさずに機能しなければなりません。この要求に応えるのが石英ガラスと
原子層エッチング(ALE)とプラズマエッチング(RIE)の違い
反応性イオンエッチング(RIE)は半導体前工程の主力エッチング技術で、プラズマで活性化したラジカル・イオンを使って連続的に薄膜を除去します。原子層エッチング(A
← 用語集に戻る