銅ピラーバンプ(Cu Pillar Bump)は、フリップチップ実装に使われる電気的接続構造の一種で、チップ上のパッド上に電解Cuめっきで柱状(ピラー)の銅を形成し、その上にはんだ(SnAg)をキャップした構造です。従来のC4はんだバンプ(全体がはんだ合金)に比べ、Cuピラーは機械的剛性が高く、ファインピッチ化・高電流密度化・低インダクタンス化が可能です。
Cuピラーバンプのメリットは、①ピッチ微細化:はんだのブリッジングリスクなく40μm以下のピッチを実現(C4は150μm程度が限界)、②電気特性:Cuの低抵抗・低インダクタンスで高速信号伝送に有利、③電流密度:電気マイグレーション耐性がSnAg単体より高い、④高さの精度:Cuピラー高さ均一性がはんだのみより優れる、という点です。
Cuピラーバンプ形成プロセスは、①TiCuシード層スパッタリング→②厚膜フォトレジストパターニング(ピラー型の開口)→③Cuの電解めっき(ピラー部)→④SnAgの電解めっき(キャップ部)→⑤レジスト剥離→⑥シード層エッチング→⑦リフロー(はんだをボール形状に)というシーケンスです。めっき均一性(ウェハ内・ウェハ間)の制御が最終接合信頼性を左右します。
Cuピラーバンプはチップレット実装・HBM積層・CoWoS(Chip on Wafer on Substrate)で広く使われています。HBM積層ではDRAMダイとロジックダイ間をCuピラー+マイクロバンプ(数十μmピッチ)で接続します。さらなる微細化(10μm以下ピッチ)の限界に近づくにつれ、はんだフリーのCuハイブリッドボンディングへの移行が加速しています。
Cuピラーバンプの検査・計測は、X線CT(内部構造・ボイド検査)、SEM-EDX(断面分析)、赤外線サーモグラフィ(接合部抵抗検査)で行われます。接合信頼性試験(温度サイクル試験、電気マイグレーション試験)のデータ蓄積と標準化も業界課題となっています。