最終更新 2026-10-09

DUVとは(深紫外線)

DUV (Deep Ultraviolet)

DUV(深紫外線)とは、波長100〜300nm程度の紫外線領域を指し、半導体リソグラフィの光源として最も広く使われています。代表はKrFエキシマレーザー(248nm)とArFエキシマレーザー(193nm)で、13.5nmのEUVと区別するためにDUVと呼ばれます。EUV普及後も、世界のファブで最も多く稼働している露光技術です。

目次9項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. よくある質問
  5. 設備の製造メーカー
  6. 関連する製品
  7. 関連用語
  8. 比較・違いを学ぶ
  9. 出典・参考資料

定義・解説

DUV(Deep UV:深紫外線)はArF(193nm)・KrF(248nm)エキシマレーザーを光源とする主流リソグラフィ技術。EUV後も非クリティカル層・成熟ノードに不可欠な理由、ArFiマルチパターニング(SADP/SAQP)との組み合わせ、ASML・Nikon・Canonの装置をわかりやすく解説。

DUV(Deep Ultraviolet:深紫外線)とは、波長100〜300nm程度の紫外線領域を指し、半導体リソグラフィ(フォトリソグラフィ)の光源として広く使われています。代表的な光源はKrF(フッ化クリプトン)エキシマレーザー(248nm)とArF(フッ化アルゴン)エキシマレーザー(193nm)で、EUV(Extreme Ultraviolet、13.5nm)と区別するために「DUV」と呼ばれます。現在も世界中の半導体ファブで最も広く稼働している露光技術です。

DUVリソグラフィの歴史は1990年代のKrF(248nm)導入に始まり、2000年代にArF(193nm)が主力となりました。2007年頃からはArFi(ArF液浸露光)が実用化され、レンズとウェハの間に純水(n=1.44)を満たしてNA>1を実現することで、ドライArFより40%以上高い解像度を達成しました。さらにSADP・SAQPなどのマルチパターニング技術と組み合わせることで、ArFiは10nm世代まで対応し、現在も7nm〜3nmの非クリティカル層(ゲート・コンタクト以外の多数の層)に使われ続けています。

EUVが普及した現在もDUVが不可欠な理由は、①コスト:ArFi露光装置(約50〜100億円)はEUV(約170〜200億円)より大幅に低コスト、②スループット:ArFi機(305 WPH)はEUV機(220 WPH)より高い処理能力を持つ、③台数:世界中のファブにArFi・KrF装置が大量導入済みで既存資産を活用できる、④用途の棲み分け:1枚のウェハを完成させる100以上の露光工程のうちEUVが使われるのは数層のみで残りはDUVが担う、の4点です。

DUVの主な現在の用途は、①先端ロジック(3nm・5nm等)の非クリティカル層(フィールド酸化膜・メタル配線下層・コンタクトホール等)、②成熟ノード(28nm・40nm・65nm等)の全層にわたる量産、③DRAM・NANDの多くの層(EUVは一部クリティカル層のみ)、④アナログ・パワー半導体(100nm〜数μm:KrFが主力)の製造です。ArFiで使うマルチパターニング(SADP/SAQP/LELELE)の設計・プロセスノウハウはDUV装置の重要な付加価値です。

DUV露光装置市場はASML(液浸スキャナーNXTシリーズ:市場シェア75%以上)、Nikon(NSR-Sシリーズ)、Canon(FPAシリーズ)が主要メーカーです。EUVはASMLの独占ですが、DUVではNikon・Canonも一定のシェアを持ちます。ASMLはArFi最新機(NXT:2100i:最大305 WPH・NA=1.35)で先端ファブに供給し続けています。

図解

露光光源の波長の目盛り(i線365nm・KrF248nm・ArF193nm・EUV13.5nm)とDUVの位置づけ
DUVはKrF(248nm)とArF(193nm)。波長を縮めるほど細かく描けるが、次のEUVでは光学系の作りが根本から変わる。

紛らわしい言葉の切り分け

EUVとDUV。違いは光源の波長で、EUVは13.5nm、DUVは193nm(ArF)や248nm(KrF)です。EUVは1回の露光で微細なパターンを描けますが、真空と反射光学系が要ります。DUVは液浸やマルチパターニングと組み合わせて、広い世代をカバーします。 比較記事 →

関連するデータ・ツール

データ露光光源の波長一覧(g線〜EUV)計算・換算ツール露光解像度・焦点深度 計算ツール(レーリーの式)計算・換算ツールeV↔波長 換算ツール(バンドギャップ・露光波長)

よくある質問(FAQ)

DUVとEUVの違いは何ですか?
波長が根本的に異なります。DUVはKrFの248nmやArFの193nmで、透過型のレンズ光学系を大気中または液浸で使えます。EUVは13.5nmで、あらゆる物質に吸収されるため真空環境と反射型ミラー光学系が必須になります。
EUVが実用化された今もDUVが使われるのはなぜですか?
先端チップでも全ての層に最先端の解像度が必要なわけではなく、非クリティカル層はDUVで十分だからです。加えて成熟ノード(車載・パワー・アナログ・マイコン)の量産は今もDUVが担っており、コストとスループットの面で有利です。
DUV露光装置の主要メーカーはどこですか?
ASML(オランダ)が最大手で、ニコンとキヤノンも供給しています。EUVはASMLの独占ですが、DUV領域では日本メーカーが一定のシェアを維持しています。

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

TWINSCAN NXT:2100iASML・DUV露光装置
FPA-3030EX6キヤノン(Canon)・DUV露光装置
GT66Aギガフォトン・エキシマレーザー発振器

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カール・ツァイスSMT(Carl Zeiss SMT)ドイツコーニング・トロペル(Corning Tropel)米国

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. ZEISS SMT「DUV lithography for chip manufacturing」(2026/10/07 確認)
  2. ASML「Light & lasers - Lithography principles」(2026/10/07 確認)
  3. ASML「TWINSCAN NXT:2100i 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  4. キヤノン(Canon)「FPA-3030EX6 製品ページ」(2026/10/07 確認)