HBM4(High Bandwidth Memory 4)は、JEDEC規格に基づく第4世代の高帯域幅メモリです。HBM3E比で帯域幅が約1.5倍以上(1スタックあたり1.5TB/s超)に向上し、AI推論・学習に必要な超大規模行列演算のメモリボトルネックを解消します。NVIDIA GB300(Blackwell Ultra)・AMD MI400・Google TPU v6など、2025〜2026年の最先端AIアクセラレータへの採用が予定されています。
HBM4の主要技術革新は3点です。(1)ベースダイ改革:従来HBMのベースダイは単純なバッファのみでしたが、HBM4ではロジック機能(アドレス変換・データ圧縮・エラー訂正)をベースダイに統合し、帯域幅効率を大幅に向上させます。(2)ハイブリッドボンディング採用:TSV間隔と接合ピッチを<10μmに縮小し、HBM3Eの微細バンプ接続よりさらに高密度な接続を実現します。(3)12層以上のDRAMダイ積層で1スタック容量を48GB超に拡大します。
製造サプライヤー間の競争が激しい分野です。SK Hynixは2025年に世界初のHBM4量産を発表(TSMC N5ベースダイ採用)し、NVIDIAへの供給でリードを維持します。Samsungは自社ファウンドリ(SF4)製ベースダイを採用しHBM4の歩留まり改善に注力。Micronは2026年に量産開始予定で、CMOSアーキテクチャの優位性を活かしコスト競争力を狙います。
HBM4の製造技術的難所は、極薄DRAM積層ダイ(30μm以下)のTSV形成とベースダイのモノリシックロジック集積です。DRAM積層工程ではDISCO・岡本工作機械の薄型研削装置、TSV形成ではLam Researchのエッチング・電解銅めっき装置、ハイブリッドボンディングではASMPT・Besいのボンダーが必要です。各社ともHBM4の組み立て歩留まり確保が量産化の最大課題です。
HBM4市場はAIクラウドインフラ投資の拡大を直接反映します。2026年のHBM全体出荷金額は300億ドル超と予測され、そのうちHBM4が50%以上を占める見込みです。HBMの主要製造装置(TSV形成・薄型研削・ボンディング)市場の急拡大が装置メーカーの業績を押し上げており、DISCO・Lam Research・ASMPTなどへの中長期的な需要増を牽引しています。