アンダーフィル(Underfill)は、フリップチップ実装においてダイとパッケージ基板(またはダイ同士)の隙間に充填する樹脂材料で、はんだバンプ接合部を機械的に補強し、信頼性を高める役割を担います。シリコンダイと基板は熱膨張係数(CTE)が大きく異なるため、温度変化のたびにバンプ接合部に応力が集中します。アンダーフィルはこの応力を樹脂全体に分散させ、接合部の疲労破壊を防ぎます。
代表的な方式に、実装後に毛細管現象で樹脂を流し込むキャピラリーアンダーフィル(CUF)、あらかじめ塗布しておくプリアプライド(NCP/NCF)、そして封止樹脂で隙間と全体を一括成形するモールドアンダーフィル(MUF)があります。微細バンプ・狭ギャップ化が進む先端パッケージでは、フィラー粒径の制御や未充填ボイドの抑制が品質上の重要課題です。
アンダーフィル樹脂はエポキシをベースに、CTEを下げ熱伝導を確保するためのシリカフィラーを高充填しています。硬化収縮・接着強度・流動性・耐湿信頼性のバランスが要求され、HBMの多段ダイ積層やチップレット実装では、狭く深い隙間に均一充填できる材料設計が不可欠になっています。
材料はResonac(旧昭和電工マテリアルズ)やNamics、Henkelなどが供給し、組立工程はOSATやファウンドリの後工程が担います。温度サイクル試験・落下衝撃試験での信頼性確保に直結するため、アンダーフィルは先進パッケージングの歩留まりと寿命を左右する縁の下の要素技術です。