ボイド(Void)は、半導体パッケージの内部に意図せず生じる微小な空隙(気泡)欠陥の総称で、モールド樹脂の封止工程、はんだ接合部、アンダーフィル充填、ダイアタッチ材の接合層など、さまざまな箇所で発生しうる。ボイドは熱伝導・電気伝導の経路を阻害し、応力集中点となって接合部のクラックや剥離の起点になるため、パッケージ信頼性を左右する重要な品質指標である。
モールド工程では、樹脂の脱気不足や充填速度の不均一によりEMC内部にボイドが残留することがあり、はんだ接合部ではフラックス残渣のガス化やリフロー条件の不適合がボイドの原因となる。パワー半導体のダイアタッチ層では、ボイド率(接合面積に対する空隙の割合)が放熱性能を直接左右するため、規格値内に抑える管理が求められる。
ボイドの検出には、X線透過検査(X線CT)や超音波探傷(C-SAM:走査型超音波顕微鏡)が用いられ、非破壊で内部の空隙分布を可視化する。先端パッケージングの微細化・多層化に伴い、より高解像度でのボイド検査ニーズが高まっている。
ボイド抑制には、コンプレッションモールドによる均一加圧成形、低ボイド性フラックス・銀焼結材料の採用、リフロー・硬化プロファイルの最適化など、材料・装置・プロセス条件の総合的な管理が必要となる。