最終更新 2026-10-07

温度サイクル試験とは

Temperature Cycle Test (TCT)

温度サイクル試験とは、-55℃〜+125℃といった範囲でデバイスを繰り返し往復させ、熱膨張差による機械的ストレスへの耐性を評価する試験です。狙うのは電気的劣化ではなく構造破壊で、はんだ接合部の疲労クラック、ワイヤボンドの剥離、内部デラミネーションが対象です。フリップチップや3D積層など先端パッケージほど厳しい試験になります。

目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連する製品
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

温度サイクル試験とは、デバイスを低温と高温の間で繰り返し往復させ、熱膨張差によって生じる機械的ストレスへの耐性を評価する試験です。-55℃から+125℃といった条件で数百〜数千サイクルを課すのが一般的で、車載用途ではより広い温度範囲と多いサイクル数が要求されます。

この試験が狙うのは、電気的な劣化ではなく構造的な破壊です。シリコンダイ・モールド樹脂・リードフレーム・はんだ・基板は熱膨張係数がそれぞれ異なるため、温度が変わるたびに接合部へ応力がかかります。これが繰り返されると、はんだ接合部の疲労クラック、ワイヤボンドの剥離(ヒールクラック)、ダイアタッチ材の剥離、パッケージ内部の層間剥離(デラミネーション)といった不良が進行します。

先端パッケージほど厳しい試験になります。フリップチップではバンプとアンダーフィルに応力が集中し、TSVを使う3D積層では上下のダイ間で応力が複雑に分布します。シリコンインターポーザや大型パッケージでは、反りの繰り返しが接合部の寿命を決めます。パッケージ設計と材料選定の妥当性は、最終的にこの試験で検証されます。

評価は電気的な導通チェックと、非破壊の内部観察を組み合わせて行います。試験の途中で抵抗値の上昇や断線を監視し、超音波顕微鏡(SAT)で剥離やクラックの発生を画像として捉えます。破壊解析まで進む場合は断面研磨してクラックの起点を特定します。

類似の試験に熱衝撃試験(サーマルショック)があり、こちらは液槽などを使って温度変化をさらに急峻にした過酷な条件です。温度サイクルが実使用に近い緩やかな変化を模擬するのに対し、熱衝撃は短時間で弱点を暴くスクリーニング的な位置づけになります。装置はESPECなどが供給します。

図解

温度サイクル試験で構造が壊れる仕組み
電気的な劣化ではなく、機械的な構造の破壊を調べる試験。

関連するデータ・ツール

計算・換算ツール加速係数・故障率(FIT)計算ツール計算・換算ツール信頼性試験のサンプル数・LTPD 計算ツール計算・換算ツールワイブル解析ツール(β・η・B寿命)

この用語を扱う職種

後工程(実装・テスト)信頼性エンジニア後工程(実装・テスト)パッケージ基板エンジニア後工程(実装・テスト)顧客品質エンジニア(CQE)後工程(実装・テスト)半導体の熱設計エンジニア

よくある質問(FAQ)

温度サイクル試験は何を壊すのですか?
電気的劣化ではなく構造です。シリコン・樹脂・リードフレーム・はんだは熱膨張係数が異なるため、温度変化のたびに接合部へ応力がかかります。繰り返しにより、はんだ接合部の疲労クラック、ワイヤボンドの剥離、内部デラミネーションが進行します。
熱衝撃試験とは何が違いますか?
温度変化の急峻さです。温度サイクルは実使用に近い緩やかな変化を模擬するのに対し、熱衝撃は液槽などで短時間に温度を切り替える過酷な条件で、弱点を早く暴くスクリーニング的な位置づけになります。

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

HIFLEX SC楠本化成・温湿度試験装置
M4173アドバンテスト・テストハンドラ
WINTECH NEO NT550A楠本化成・熱衝撃試験装置
HA7200アドバンテスト・MEMS
HA7300アドバンテスト・MEMS

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アドバンテスト日本Teradyne(テラダイン)米国Aehr Test Systems米国Cohu米国東京精密(Accretech)日本Nordson米国

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. アドバンテスト「M4173 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  2. 楠本化成「WINTECH NEO NT550A 製品ページ」(2026/10/07 確認)