太陽電池の変換効率 計算ツール
要点
太陽電池の変換効率は η = Jsc × Voc × FF / 入射光強度 で、標準試験条件の入射光は100 mW/cm² です。単接合の効率には上限があり、バンドギャップ1.1〜1.4eV付近で最大約33%(Shockley–Queisser 限界)になります。シリコンは約27%まで達しており、それ以上はペロブスカイトとのタンデム構造で狙います。
測定値から変換効率を求める
標準試験条件(STC)は AM1.5G・100 mW/cm²(1000 W/m²)・25℃ です。セル面積の初期値 244 cm² は 156mm 角(M2 相当)の目安です。
暗電流(飽和電流密度)から開放電圧と曲線因子を見積もる
Jsc は上の欄の値を使います。J0 が1桁下がるごとに Voc は約60mV(n=1)上がります。
バンドギャップと理論限界効率(詳細平衡)
太陽光を 5778K の黒体放射で近似しているため、実際の AM1.5G スペクトル(大気の吸収帯を含む)で計算した値(Si で約33%)より数%低めに出ます。バンドギャップに対する傾向を見るためのものです。
主な太陽電池材料
| 材料 | バンドギャップ | 理論限界(本ツール) | 報告されている最高効率の目安 |
|---|---|---|---|
| 結晶シリコン(c-Si) | 1.12 eV | 29.8 % | 約27% |
| ヒ化ガリウム(GaAs) | 1.42 eV | 29.9 % | 約29% |
| テルル化カドミウム(CdTe) | 1.45 eV | 29.7 % | 約23% |
| CIGS | 1.15 eV | 30.0 % | 約24% |
| ペロブスカイト | 1.55 eV | 28.9 % | 約27% |
| アモルファスシリコン | 1.7 eV | 27.2 % | 約14% |
単接合太陽電池の効率に上限がある理由
太陽電池はバンドギャップより大きいエネルギーの光子しか吸収できず、吸収した光子のエネルギーのうちバンドギャップを超えた分は熱として失われます。バンドギャップが小さいと多くの光を吸収できますが電圧が低く、大きいと電圧は高いが吸収できる光が減ります。この兼ね合いで、単接合の効率は1.1〜1.4eV付近で最大約33%(Shockley–Queisser 限界)になります。
この限界を超えるには、バンドギャップの異なる層を積み重ねるタンデム(多接合)構造が使われます。宇宙用の III-V 族多接合セルや、シリコンの上にペロブスカイトを重ねたタンデムセルは30%を超える効率が報告されています。シリコンは理論限界に近い約27%まで効率が上がっており、ウェハの薄型化とパッシベーション技術が改善の中心です。