ALE(Atomic Layer Etching:原子層エッチング)は、エッチングを原子層1層単位で自己制御的に行う技術です。ALD(原子層堆積)の「成膜版」に対応する「除去版」として位置づけられ、表面の化学的修飾と除去を交互にサイクルすることで、原子層レベルの精度と高い選択性を実現します。3nm以降の超微細加工において、従来の連続プラズマエッチングでは達成困難な寸法精度・形状制御性を提供します。
ALEには大きく2方式があります。プラズマALE(等方性/異方性ALE)は、改質ステップ(表面を反応性ガスで化学修飾)と除去ステップ(低エネルギーイオン照射で修飾層のみを揮発除去)を繰り返します。サーマルALE(熱ALE)は低温・非プラズマ環境で化学反応のみを利用し、高アスペクト比構造やデリケートな材料に適しています。FinFETのゲートスペーサーエッチング、GAAナノシートのシリコン選択的除去、EUVレジストのトリミングなどに応用されています。
従来のRIEと比較したALEの優位点は、エッチング量の原子層単位制御・高選択比(隣接材料をほとんどエッチングしない)・ダメージフリー加工の3点です。サイクルタイムが長くスループットが課題ですが、クリティカルな工程への選択的適用で解決されています。主要装置メーカーはLam Research(Kiyo系ALE機能付きエッチャー)、東京エレクトロン(Tactras)、Applied Materialsが開発を主導しています。