GLOSSARY

UPW(超純水)とは

Ultrapure Water
最終更新:2026-08-25前工程装置

定義・解説

UPW(Ultrapure Water:超純水)とは、半導体製造に使用される極めて高純度の水で、通常の純水・蒸留水をはるかに超える精製処理を施したものです。比抵抗値18.2MΩ・cm(25℃)・TOC(全有機体炭素)<1ppb・粒子数<1個/mL(≥50nm)・金属イオン<1ppt・溶存酸素<1ppbなどの厳格な水質規格を満たします。ウェハ洗浄・リンス・現像・各種薬液希釈に1ファブ当たり日量数百〜数千トンが使用される最重要インフラです。

UPW製造プロセスは多段精製システムで構成されます。(1)前処理:凝集沈殿・砂ろ過・活性炭吸着による粗大粒子・有機物の除去。(2)一次純水:逆浸透(RO)膜・イオン交換樹脂による脱イオン。(3)二次純水:UV照射(185nm・254nm)によるTOC分解・膜脱気(溶存酸素除去)・超ろ過膜(UF)。(4)ポイントオブユース:ユーズポイント直前の最終UF・イオン交換でパーティクル・イオンを最終除去。このシステムはKurita Water Industries(栗田工業)・Nomura Micro Science(野村マイクロ・サイエンス)・Evoquaが主要サプライヤーです。

先端ノードではUPW水質規格がさらに厳格化しています。3nm以下のプロセスでは溶存シリカ(SiO₂)・溶存アルミニウムのpptレベル管理が求められ、UPW中の金属汚染がゲート絶縁膜の信頼性・キャリア寿命に影響します。TSMCのファブではISOで定義されるUPWグレードを超える独自規格を採用しており、UPWシステムの定期的な更新・アップグレードが継続的な設備投資対象となっています。

UPWの供給安定性はファブ稼働率に直結する重要インフラです。UPW系統のトラブル(配管汚染・UF膜破れ・イオン交換樹脂劣化)はウェハ生産の即時停止を引き起こします。このためUPW系統はN+1の冗長構成・24時間リアルタイム水質モニタリング(比抵抗・TOC・パーティクル・DO)・予防保全(PdM)が必須です。ファブインフラ投資の中でUPW設備は全体の5〜10%を占める大型投資項目です。

UPW市場は半導体ファブの新増設に連動して成長しています。栗田工業・野村マイクロ・サイエンスはTSMC熊本ファブ・Samsung Taylor(テキサス)・Intel Arizona/Ohio・TSMC Arizona向けUPWシステムを受注しており、日本・米国・欧州のファブ誘致競争(CHIPS Act関連投資)の恩恵を受けています。1先端ファブのUPWシステム設備投資額は数十億〜100億円規模に上ります。

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