最終更新 2026-10-09

UPWとは(超純水)

Ultrapure Water
目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 設備の製造メーカー
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ
  6. 出典・参考資料

定義・解説

UPW(Ultrapure Water:超純水)とは、半導体製造に使用される極めて高純度の水で、通常の純水・蒸留水をはるかに超える精製処理を施したものです。比抵抗値18.2MΩ・cm(25℃)・TOC(全有機体炭素)<1ppb・粒子数<1個/mL(≥50nm)・金属イオン<1ppt・溶存酸素<1ppbなどの厳格な水質規格を満たします。ウェハ洗浄・リンス・現像・各種薬液希釈に1ファブ当たり日量数百〜数千トンが使用される最重要インフラです。

UPW製造プロセスは多段精製システムで構成されます。(1)前処理:凝集沈殿・砂ろ過・活性炭吸着による粗大粒子・有機物の除去。(2)一次純水:逆浸透(RO)膜・イオン交換樹脂による脱イオン。(3)二次純水:UV照射(185nm・254nm)によるTOC分解・膜脱気(溶存酸素除去)・超ろ過膜(UF)。(4)ポイントオブユース:ユーズポイント直前の最終UF・イオン交換でパーティクル・イオンを最終除去。このシステムはKurita Water Industries(栗田工業)・Nomura Micro Science(野村マイクロ・サイエンス)・Evoquaが主要サプライヤーです。

先端ノードではUPW水質規格がさらに厳格化しています。3nm以下のプロセスでは溶存シリカ(SiO₂)・溶存アルミニウムのpptレベル管理が求められ、UPW中の金属汚染がゲート絶縁膜の信頼性・キャリア寿命に影響します。TSMCのファブではISOで定義されるUPWグレードを超える独自規格を採用しており、UPWシステムの定期的な更新・アップグレードが継続的な設備投資対象となっています。

UPWの供給安定性はファブ稼働率に直結する重要インフラです。UPW系統のトラブル(配管汚染・UF膜破れ・イオン交換樹脂劣化)はウェハ生産の即時停止を引き起こします。このためUPW系統はN+1の冗長構成・24時間リアルタイム水質モニタリング(比抵抗・TOC・パーティクル・DO)・予防保全(PdM)が必須です。ファブインフラ投資の中でUPW設備は全体の5〜10%を占める大型投資項目です。

UPW市場は半導体ファブの新増設に連動して成長しています。栗田工業・野村マイクロ・サイエンスはTSMC熊本ファブ・Samsung Taylor(テキサス)・Intel Arizona/Ohio・TSMC Arizona向けUPWシステムを受注しており、日本・米国・欧州のファブ誘致競争(CHIPS Act関連投資)の恩恵を受けています。1先端ファブのUPWシステム設備投資額は数十億〜100億円規模に上ります。

図解

超純水(UPW)の製造工程(前処理・RO・イオン交換と脱気・UV酸化・仕上げ)
洗浄・リンス・薬液の希釈に使う、最も量の多い材料。

関連するデータ・ツール

計算・換算ツール洗浄薬液の調合・濃度 計算ツール

この用語を扱う職種

ファブ運営・インフラ環境安全(EHS)エンジニアファブ運営・インフラ超純水エンジニア

設備の製造メーカー

デバイスの製造メーカー

TSMC(台湾積体電路製造)台湾

世界最大の半導体ファウンドリ。3nm、5nm、7nmなど最先端プロセスノードで業界をリード。Apple、NVI…

Samsung Electronics(サムスン電子)韓国

世界最大のメモリメーカーであり、先端ロジックファウンドリでもあるIDM。DRAM・NANDフラッシュで市場をリ…

Intel米国

世界最大のCPUメーカー。従来はIDMとして自社プロセスでCPUを製造してきたが、Intel Foundry …

SK hynix(SKハイニックス)韓国

世界第2位のDRAMメーカー、第3位のNANDフラッシュメーカー。AI/HPC向けHBM(高帯域メモリ)で業界…

関連する装置カテゴリ

同じトピックの用語

ファブインフラ設備(排ガス・超純水・薬液供給) のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

MKS Instruments米国Ultra Clean Holdings(UCT)米国Advanced Energy Industries米国エア・リキード(半導体)フランス荏原製作所日本栗田工業日本

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 東京エレクトロン nanotec museum「半導体用語集:超純水」(2026/10/07 確認)