クリーンルーム(Cleanroom)は、空気中の浮遊微粒子(パーティクル)・温度・湿度・気圧などを高度に制御した超清浄な作業空間です。半導体ウェハ上の微細な回路パターン(数nm〜数十nm)は、数μm以下のパーティクル1個でも致命的な欠陥(ブリッジ・断線)の原因になるため、製造環境の清浄度管理が不可欠です。
クリーンルームの清浄度はISO規格(ISO 14644)またはUSクラス規格で定義されます。最先端の半導体ファブはISO Class 1〜4(旧USクラス10〜100)レベルで運用されており、1立方フィートあたりの0.5μm以上のパーティクル数が1〜10個以下に管理されています。比較として、一般オフィスはISO Class 7〜8程度です。
クリーンルームの核心設備はFFU(Fan Filter Unit)で、HEPAまたはULPAフィルターを通した清浄空気を天井から床(グレーティング)に向けて一方向(ラミナーフロー)に流します。この気流がパーティクルを装置・作業者から遠ざけ、ウェハへの付着を防ぎます。温度(23±0.5℃程度)・湿度(40〜50%RH)・気圧(わずかに正圧)も精密に管理されます。
半導体ファブでは作業者がバニースーツ(防塵服・手袋・マスク・ゴーグル)を着用し、パーティクルの発生源となる人体からの汚染を最小化します。ウェハの搬送はFOUP(Front Opening Unified Pod)に密閉してAMHS(自動搬送システム)で行い、作業者の手が直接ウェハに触れることはありません。
クリーンルームの建設・運用コストは非常に高く、最先端ファブ(TSMC N3、Samsung SF3)の新設には200〜300億ドル以上が投じられます。クリーンルーム建設・設備に関わる企業として、空調・FFUシステムのダイキン工業、クリーンルーム設計・施工の竹中工務店・大林組(日本)、SMC(空圧機器)などが知られています。