ARM(Advanced RISC Machine)アーキテクチャは、英国のArm Holdings(ソフトバンクグループ傘下)が設計・ライセンス供与する命令セットアーキテクチャ(ISA)とプロセッサIPです。スマートフォン向けアプリケーションプロセッサの約99%、タブレット・IoT・組み込みシステムの大半がARMアーキテクチャを採用しており、世界で最も広く普及したプロセッサISAです。Qualcomm Snapdragon・Apple A/M-series・MediaTek Dimensityなど主要SoCがARMベースで設計されています。
ARMアーキテクチャは現在「Armv9」世代が主流で、セキュリティ機能(CCA:Confidential Compute Architecture)・AI向けSVE2(スケーラブルベクタ拡張)を統合しています。Arm Cortex-Aシリーズ(高性能アプリケーション向け)・Cortex-M(マイクロコントローラ向け超低消費電力コア)・Cortex-R(リアルタイム処理向け)の3製品ラインがあります。AppleのM-seriesはARMのカスタム実装で、TSMCの最先端プロセスで製造されます。
半導体製造の観点では、ARMコアを含むSoCはファブレス企業(Qualcomm・Apple・MediaTek等)が設計し、TSMC・Samsung Foundryで製造するモデルが主流です。ARMの高い電力効率(性能/W)は先端プロセスノード(3nm・2nm)との組み合わせで最大化されます。ARMベースのデータセンターサーバー(AWS Graviton4・Ampere Altra)の普及により、x86(Intel/AMD)への依存度を下げる動きが加速しています。
オープンソースのRISC-Vとの競争関係も注目されています。ARMはライセンス料モデルを維持しつつ、Armv9のセキュリティ・AI機能の優位性でRISC-Vに対抗しています。一方、地政学的リスクを懸念する中国・インドの半導体企業がRISC-Vへの移行を進める中、ARMの市場支配力の維持が今後の重要課題です。risc-v-vs-armの比較記事、およびasic-vs-fpgaの記事も合わせて参照してください。