二流体洗浄とは、超純水(または薬液)と窒素などの高圧ガスをノズル内で混合し、微細な液滴を高速でウェハ表面に吹き付けてパーティクルを除去する物理洗浄手法です。液滴が表面に衝突する際の運動エネルギーで粒子を剥ぎ取るため、薬液の化学反応では落ちにくい微粒子にも効果があります。
洗浄力を決めるのは、液滴の大きさ・速度・数密度です。ガス圧と液流量の比を変えることで液滴径と速度を制御でき、洗浄力とダメージのバランスを調整します。液滴が大きく速いほど除去力は上がりますが、その分パターンへの衝撃も大きくなるため、微細構造ではノズル設計と条件出しがそのまま歩留まりに効いてきます。
メガソニック洗浄との違いは、エネルギーの伝達経路にあります。メガソニックは液体を介して音響エネルギーを面全体に届けるのに対し、二流体はノズル直下の局所に運動エネルギーを集中させます。そのため二流体はノズルをウェハ上でスキャンして全面を処理する必要があり、スキャン速度と回転数の設計が面内均一性を左右します。
適用場面は、レジスト剥離後の残渣除去、ポストCMP洗浄、裏面・ベベル部の洗浄などです。特にウェハ裏面やエッジは、表面ほど微細構造の制約がないため、強い物理力をかけられる二流体洗浄が有効に働きます。枚葉洗浄装置では、薬液ノズル・リンスノズルと並んで二流体ノズルが標準的に搭載されます。
課題はやはりパターンダメージと、ノズルからの発塵です。液滴が微細パターンに直撃すれば倒壊が起こり、ノズル内部の摩耗片が新たなパーティクル源になることもあります。ノズル材質の選定と定期交換、そしてパターン世代に応じた条件の緩和が運用上の要点になります。