パーティクル汚染とは、微粒子がウェハ表面に付着してデバイスの欠陥を引き起こす現象、およびその管理領域を指します。回路の線幅が数nmまで微細化した現在、パターン寸法の半分程度の粒子1個でも配線のショートやオープンを引き起こすため、パーティクル管理は歩留まりを決定づける最重要の管理項目です。
発生源は大きく3つに分けられます。①環境由来(クリーンルームの空気、作業者、資材)、②装置由来(可動部の摩耗、チャンバー壁からの堆積物剥離、消耗部品の削れ、バルブやポンプの発塵)、③プロセス由来(気相反応による粉体生成、薬液中の凝集粒子、CMPスラリーの砥粒残り)です。クリーンルームの清浄度が向上した現代では、環境由来より装置由来・プロセス由来が支配的になっています。
対策の基本は、発生させない・持ち込ませない・付着させないの3段構えです。装置内ではミニエンバイロメント(EFEM)とFOUPによる密閉搬送で外部からの持ち込みを断ち、チャンバー内では耐プラズマコーティングや低発塵設計の部品で発生を抑えます。ウェハ表面に付着した粒子は洗浄工程(枚葉洗浄・ブラシ洗浄・二流体洗浄)で除去しますが、微細化するほど付着力が相対的に強くなり、パターンを壊さずに除去することが難しくなります。
検出と管理には、パーティクル検査装置(ウェハ表面検査装置)が使われます。レーザ散乱方式でウェハ全面をスキャンし、粒子の個数・サイズ分布・面内のマップを取得します。装置ごとに「装置起因の付着数(PWP:Particles per Wafer Pass)」を定期モニタし、規格を超えた装置はPM(予防保全)に入れるという運用が標準です。マップのパターン(同心円状・扇形など)から、発生源となる部位を推定する解析も行われます。
経済的には、パーティクル1個の欠陥がチップ1個の不良につながり、それが積み重なって歩留まりを数%動かします。消耗部品の材質選定、交換周期、部品洗浄・再生の品質といった一見地味な領域が、ファブの収益に直結する理由がここにあります。