最終更新 2026-10-19

バッチ式洗浄とは(槽式洗浄)

Batch Cleaning / Wet Bench

バッチ式洗浄(槽式洗浄)とは、25〜50枚のウェハをキャリアごと薬液槽に浸漬して一括処理する洗浄方式です。薬液を循環利用できるため薬液使用量が枚葉式より桁で少なく、装置1台あたりの処理能力も高くなります。弱点は同一槽内でのクロスコンタミネーションと薬液の汚染蓄積で、清浄度要求の厳しい工程は枚葉式に任せる使い分けが一般的です。

目次9項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. よくある質問
  5. 設備の製造メーカー
  6. 関連する製品
  7. 関連用語
  8. 比較・違いを学ぶ
  9. 出典・参考資料

定義・解説

バッチ式洗浄(槽式洗浄、ウェットベンチ)とは、25〜50枚のウェハをキャリアにまとめて薬液槽に浸漬し、一括で洗浄する方式です。薬液槽・リンス槽・乾燥部を並べた装置構成をとり、1バッチあたりの処理枚数が多いため、単位時間あたりのスループットとランニングコストで枚葉式に対する優位を持ちます。

処理の流れは、薬液槽への浸漬 → 超純水(UPW)によるオーバーフローリンス → 乾燥という順序を、洗浄目的ごとに繰り返します。SC-1・SC-2・DHF・SPMといったRCA系の薬液を槽ごとに用意し、ウェハキャリアを槽から槽へ移送します。槽内では液を循環・ろ過しながら加熱し、超音波やメガソニックを併用してパーティクル除去能力を高めます。

バッチ式の最大の弱点はクロスコンタミネーション(相互汚染)です。同じ槽に多数のウェハを同時に入れるため、1枚のウェハから溶け出した金属や剥離したパーティクルが他のウェハに再付着する可能性があります。また薬液は使い続けるほど汚染が蓄積し濃度も変化するため、液寿命の管理と定期的な液交換がプロセス安定性を左右します。

それでもバッチ式が使われ続ける理由は経済性です。枚葉式が1枚ずつ新鮮な薬液を使い捨てるのに対し、バッチ式は薬液を循環利用できるため薬液使用量が桁で少なく、装置1台あたりの処理能力も高くなります。レガシーノード、パワー半導体、MEMS、そして先端ファブでも清浄度要求が相対的に緩い工程では、現在も主力の方式です。

近年は、バッチ式と枚葉式を工程ごとに使い分けるハイブリッド運用が一般的です。金属汚染やパーティクルの要求が最も厳しいゲート形成前や露光前は枚葉式、レジスト剥離や大量の酸化膜除去などスループットが効く工程はバッチ式、という具合に配置します。装置はSCREEN・東京エレクトロン・ACM Researchなどが供給しています。

図解

バッチ式洗浄と枚葉式洗浄の比較(処理単位・薬液量・清浄度・向く工程)
現代の工場は工程に応じて両方を使い分ける。

紛らわしい言葉の切り分け

バッチ洗浄と枚葉洗浄。違いは一度に何枚処理するかです。バッチ洗浄は数十枚を薬液槽に浸すため、処理量が多く安価です。枚葉洗浄は1枚ずつ回転させながら薬液をかけるため、均一性とパターンのダメージ管理に優れ、先端ノードでは欠かせません。 比較記事 →

関連するデータ・ツール

計算・換算ツール洗浄薬液の調合・濃度 計算ツール

この用語を扱う職種

前工程(ウェハプロセス)洗浄工程エンジニア(ウェット洗浄)

よくある質問(FAQ)

バッチ式洗浄と枚葉式洗浄はどちらが優れているのですか?
目的によります。バッチ式は薬液を循環利用でき1回に25〜50枚処理できるためコストとスループットで優れ、枚葉式は1枚ずつ新鮮な薬液で処理するためクロスコンタミネーションが起きず清浄度と制御性で優れます。実際のファブは工程ごとに両者を使い分けます。
バッチ式でクロスコンタミネーションが起きるのはなぜですか?
同じ薬液槽に多数のウェハを同時に浸すため、1枚から溶け出した金属や剥離したパーティクルが他のウェハに再付着し得るからです。薬液は使い続けるほど汚染が蓄積し濃度も変化するため、液寿命の管理と定期交換がプロセス安定性を左右します。
バッチ式洗浄は今も使われているのですか?
使われています。レガシーノード、パワー半導体、MEMSに加え、先端ファブでもレジスト剥離や大量の酸化膜除去などスループットが効く工程では現役です。清浄度要求が最も厳しいゲート形成前や露光前だけを枚葉式に振り分ける運用が一般的です。

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

EXPEDIUS™-i東京エレクトロン(TEL)・ウェットエッチング装置
FC-3100SCREENホールディングス・バッチ洗浄装置
WaferStorm®Veeco Instruments・レジスト剥離装置(ウェット)
ZETA™+東京エレクトロン(TEL)・バッチ洗浄装置
WS-620C/WS-820C/WS-820LSCREENホールディングス・バッチ洗浄装置
FC-821LSCREENホールディングス・バッチ洗浄装置
CW-2000SCREENホールディングス・バッチ洗浄装置

関連する装置カテゴリ

同じトピックの用語

ウェハ洗浄 のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

Lam Research米国KCTech(ケーシーテック)韓国ステラケミファ日本三菱ガス化学日本関東化学(Kanto Chemical)日本

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 東京エレクトロン(TEL)「EXPEDIUS™-i 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  2. SCREENホールディングス「FC-3100 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  3. Veeco Instruments「WaferStorm® 製品ページ」(2026/10/07 確認)