FOUP(Front Opening Unified Pod)は、シリコンウェハを外部環境の汚染(パーティクル、湿気、化学物質)から保護しながら安全に搬送・保管するための専用密閉容器です。Fully Automated Semiconductor Equipment(FASE)規格として業界標準化されており、200mmウェハ対応のSMIF(Standard Mechanical Interface)ポッドの後継として300mmウェハ製造ラインに広く導入されています。
FOUPは、クリーンルーム内のウェハ搬送システム(AMHS:Automated Material Handling System)において中核的な役割を果たします。天井に設置されたレール上を走行するOHT(Overhead Hoist Transport)ロボットがFOUPを自動搬送し、各製造装置のロードポートに自動的に供給します。作業者がウェハに直接触れることなく、完全自動化された搬送を実現しています。
FOUPの内部は、不活性ガス(N₂)パージ(窒素充填)により酸素・水分・有機物汚染から遮断されます。特に自然酸化膜の形成を嫌うCu/Low-kプロセスや、EUVレジストの劣化を防ぐ工程では、N₂パージFOUPの重要性が高まっています。ウェハは垂直方向に25枚(300mm標準)をスロットに格納します。
FOUP本体はPBT(ポリブチレンテレフタレート)などの帯電防止プラスチックで成形され、内部のウェハ支持部(ノッチガイド、サポートリブ)の寸法精度が求められます。FIMSインターフェース(Front-Opening Interface Mechanical Standard)によりロードポートとの機械的整合性が規定されています。
主要メーカーはEntegraス(旧Mykrolis)、Shin-Etsu Polymer(信越ポリマー)、Gudeng Precision(台湾)、右機器(韓国)などです。先端ロジック・メモリファブの稼働率向上のためのスマートFOUP(センサー内蔵でウェハ状態をリアルタイム監視)の開発も進んでいます。