FOSB(Front Opening Shipping Box)は、ウェハメーカーからデバイスメーカーへ300mmウェハを出荷・輸送するための密閉容器です。FOUPと同じ前面開口・25枚収納の形状を持ち、ロードポートに直接載せられる互換性を備えていますが、用途はファブ内搬送ではなく「工場間の輸送」に特化しています。
FOUPとの違いは、ファブ内の自動搬送(AMHS)で使うか、外部輸送で使うかという用途の差にあります。FOUPは天面にOHT用のロボティックフランジを持ち、耐久性と繰り返し使用に耐える高価な仕様です。FOSBは出荷用のため、天面はハンドル形状で、輸送中の振動・衝撃からウェハを守る保持構造と、輸送コストに見合った価格設計が重視されます。
材質は帯電防止処理を施したポリカーボネートやPBT系樹脂で、アウトガスと発塵を抑えた成形が要求されます。ウェハ表面の自然酸化膜の成長やヘイズ(曇り)の発生を防ぐため、N₂パージ機能を備えた仕様や、真空パックと併用する出荷形態も採られます。ベアウェハだけでなく、エピウェハやSOIウェハなど高付加価値ウェハの輸送でも標準です。
受け入れ側のファブでは、FOSBをそのままロードポートに載せてウェハを装置へ供給するか、いったんFOUPへ移し替えて運用します。移し替え工程はパーティクル混入のリスクがあるため、専用のウェハトランスファー装置が使われます。空になったFOSBはウェハメーカーへ返送され、洗浄・検査を経て再利用されるのが一般的です。
主要メーカーはミライアル・信越ポリマー・Entegris・Gudeng Precision(台湾)などです。ウェハの出荷量に比例して需要が動くため、シリコンウェハ市況と連動性の高い部材でもあります。