EFEM(Equipment Front End Module)は、ロードポートとプロセス装置本体の間に置かれる大気圧の清浄搬送モジュールです。内部に搬送ロボット・アライナ・FFU(ファンフィルタユニット)を備え、FOUPから取り出したウェハを清浄な雰囲気のままロードロックまで運びます。装置の「玄関ホール」にあたる部分で、ミニエンバイロメント方式の中核をなします。
EFEM内は、天井のFFUからのダウンフローによりISOクラス1〜2相当の清浄度に保たれ、わずかな正圧をかけて外気の侵入を防ぎます。この局所クリーン化により、クリーンルーム全体の清浄度を極端に上げなくても、ウェハが触れる空間だけを最高レベルに保てるため、ファブの空調コストを大きく削減できます。
内部の搬送ロボットは、スカラ型または直動型のアームでウェハを1枚ずつハンドリングします。エンドエフェクタ(ハンド)は、ウェハに傷や汚染を与えないようセラミックやPEEKで作られ、真空吸着またはエッジグリップで保持します。アライナはウェハのノッチを検出して結晶方位と中心位置を合わせ、プロセス装置が要求する向きに揃えます。
近年の技術トレンドは低酸素・低湿度化です。EUV露光後のレジストや、Cu・Co配線の表面は大気中の酸素・水分に敏感なため、EFEM内をN₂雰囲気にして酸素濃度を数十ppm以下に保つ「N₂パージEFEM」が採用されています。窒素雰囲気では作業者の酸欠リスクへの配慮や、酸素濃度モニタとの連動が設計要件になります。
主要メーカーはローツェ・シンフォニアテクノロジー・Brooks(Azenta)・平田機工などです。EFEMは装置メーカーが外部調達するモジュールの中でも大型で、装置のフットプリントとスループットを規定する重要な構成要素です。