RMG(Replacement Metal Gate:リプレースメントメタルゲート)とは、ゲート形成をソース・ドレイン活性化アニール後に行う「Gate-Last(ゲート後)」プロセスのことです。まずダミーゲートとしてポリシリコンを形成してソース・ドレイン処理を完了させ、その後ポリシリコンをウェット/ドライエッチングで除去してトレンチを作り、そこにHigh-k/Metal Gate(HKMG)スタックを埋め込みます。現在のFinFET・GAAを含む先端ロジックプロセスの標準的なゲート形成方式です。
RMGが採用される主な理由は、High-k/Metal Gateの「熱的安定性」問題の回避です。Gate-First方式ではゲート形成後に1000℃超のソース/ドレイン活性化アニールが行われるため、メタルゲートの仕事関数がシフトし、トランジスタの閾値電圧が設計値からずれる問題がありました。RMGではHigh-k/Metal Gateをアニール後に形成するため、この熱劣化問題を根本的に回避できます。
RMGのプロセスフローは以下の通りです。①ダミーゲート(ポリシリコン+SiO₂)の形成→②ソース/ドレインエピタキシャル成長→③層間絶縁膜(ILD)堆積+CMP平坦化→④ポリシリコンダミーゲートの選択的エッチング除去(Gate Open)→⑤極薄SiON界面層の形成→⑥High-k(HfO₂)のALD成膜→⑦仕事関数メタル(WF Metal)のALD→⑧Low抵抗メタル(W/Co/Ru)充填→⑨Gate CMP平坦化、の順に進みます。特に④〜⑨がRMGのコアプロセスです。
FinFETからGAAへの移行でRMGの難易度は大きく上昇します。GAAナノシートでは複数のナノシート間のギャップ(約5〜7nm)にゲートスタックを均一に充填する必要があり、ボトムナノシートまでHfO₂・WF Metalが到達するためのALD等角性が歩留まりを左右します。さらにGAAではInner Spacerと組み合わせた新たなゲートパターニング(Gate-Cut)技術が必要で、CMPとドライエッチングの精密制御が求められます。
RMGプロセスの主要装置は、ALD装置(ゲートスタック成膜:ASM International・Applied Materials・Lam Research)、ウェットエッチング/ドライエッチング装置(ダミーゲート除去:東京エレクトロン・Lam Research)、CMP装置(KLA検査との組み合わせで東京精密・Applied Materials)です。RMGの歩留まり管理には、ゲートトレンチ内の残渣検査(KLA・日立ハイテクのeビーム検査)と膜厚モニタリング(エリプソメーター)が欠かせません。