ファンデルパウ法とは

Van der Pauw Method

最終更新:2026-09-08計測装置

ファンデルパウ法とは?

ファンデルパウ法とは、任意の形をした薄い試料の抵抗率とホール係数を、周辺に置いた4つの電極だけで求められる測定手法です。1958年にレオ・ファンデルパウが発表したもので、試料を決まった形に切り出す必要も寸法を測る必要もありません。対称な試料ではシート抵抗が R_s = πR/ln2 ≒ 4.532R と閉じた形になり、ホール効果測定の標準的な測定配置として使われます。

定義・解説

ファンデルパウ法とは、任意の形をした薄い試料の抵抗率とホール係数を、周辺に付けた4つの電極だけで求められる測定手法です。1958年にレオ・ファンデルパウが発表しました。試料を決まった形に切り出したり寸法を測ったりしなくてよいのが最大の利点で、ホール効果測定の標準的な測定配置になっています。

成り立つための条件は4つあります。試料の厚さが均一であること、単連結であること(穴が開いていない)、電極が試料の周辺部にあること、そして電極が試料の大きさに比べて十分小さいことです。この条件下では、隣り合う4端子で測った2つの抵抗 R_A・R_B とシート抵抗 R_s の間に exp(−πR_A/R_s) + exp(−πR_B/R_s) = 1 という関係が成り立ち、これを数値的に解いて R_s が求まります。

試料が対称であれば R_A = R_B となり、式は R_s = πR_A/ln2 ≒ 4.532·R_A と閉じた形になります。四探針法の薄膜用補正係数と同じ 4.532 が現れるのは偶然ではなく、どちらも同じ2次元の電流分布から導かれるためです。

実務では、電極の有限な大きさによる誤差を減らすため、試料をクローバー形(四つ葉形)やグリークロス形(十字形)に加工することがあります。電極を細い首の先に置くことで、電流分布が電極サイズに乱されにくくなります。正方形試料の四隅に点接触の電極を付ける簡易な形でも、多くの用途では十分な精度が得られます。

四探針法との使い分けは明確です。四探針法は針を当てるだけなので大面積ウェハの面内マッピングに向き、ファンデルパウ法は切り出した試料片の絶対値評価と、同じ電極を使ったホール測定に向きます。研究開発の材料評価ではファンデルパウ法、量産ラインの工程モニタでは四探針法が主に使われます。

よくある質問(FAQ)

ファンデルパウ法が成り立つ条件は何ですか?
試料の厚さが均一であること、単連結であること(穴が開いていない)、電極が試料の周辺部にあること、電極が試料に比べて十分小さいことの4つです。この条件下で、任意の形の試料の抵抗率が4つの電極だけで求まります。
4.532という係数はどこから来ますか?
π/ln2 の値です。対称な試料ではファンデルパウの式が R_s = πR/ln2 と閉じた形になります。四探針法の薄膜用補正係数と同じ値が現れるのは偶然ではなく、どちらも同じ2次元の電流分布から導かれるためです。
試料をクローバー形に加工するのはなぜですか?
電極が有限の大きさを持つことによる誤差を減らすためです。細い首の先に電極を置くと、試料内部の電流分布が電極サイズに乱されにくくなります。正方形試料の四隅に点接触の電極を付ける簡易な形でも、多くの用途では十分な精度が得られます。

関連カテゴリ

関連用語

同じトピックの用語

検査・計測 のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

KLA米国日立ハイテク日本Hermes Microvision(HMI)米国ライカマイクロシステムズドイツマルバーン・パナリティカル(Malvern Panalytical)オランダパークシステムズ(Park Systems)韓国

比較・違いを学ぶ

電子ビーム検査と光学検査の違い(欠陥検査方式の比較)
電子ビーム検査(E-beam Inspection)は電子ビームでウェハを走査し二次電子・反射電子像から欠陥を検出する方式で、数nm級の微小欠陥や配線のオープン
SEMとTEMの違い
SEMとTEMはどちらも電子線を使う顕微鏡で、光学顕微鏡では見えないナノメートル領域を観察するために使われます。名前は似ていますが、電子と試料の関わり方が根本的
四探針法とホール効果測定の違い
どちらも半導体の電気特性を測る基本手法ですが、得られる情報の量が違います。四探針法は抵抗率という1つの値を素早く測れる一方、その値の内訳までは教えてくれません。
← 用語集に戻る用語集をExcel・PDFで使う →