ファンデルパウ法とは、任意の形をした薄い試料の抵抗率とホール係数を、周辺に付けた4つの電極だけで求められる測定手法です。1958年にレオ・ファンデルパウが発表しました。試料を決まった形に切り出したり寸法を測ったりしなくてよいのが最大の利点で、ホール効果測定の標準的な測定配置になっています。
成り立つための条件は4つあります。試料の厚さが均一であること、単連結であること(穴が開いていない)、電極が試料の周辺部にあること、そして電極が試料の大きさに比べて十分小さいことです。この条件下では、隣り合う4端子で測った2つの抵抗 R_A・R_B とシート抵抗 R_s の間に exp(−πR_A/R_s) + exp(−πR_B/R_s) = 1 という関係が成り立ち、これを数値的に解いて R_s が求まります。
試料が対称であれば R_A = R_B となり、式は R_s = πR_A/ln2 ≒ 4.532·R_A と閉じた形になります。四探針法の薄膜用補正係数と同じ 4.532 が現れるのは偶然ではなく、どちらも同じ2次元の電流分布から導かれるためです。
実務では、電極の有限な大きさによる誤差を減らすため、試料をクローバー形(四つ葉形)やグリークロス形(十字形)に加工することがあります。電極を細い首の先に置くことで、電流分布が電極サイズに乱されにくくなります。正方形試料の四隅に点接触の電極を付ける簡易な形でも、多くの用途では十分な精度が得られます。
四探針法との使い分けは明確です。四探針法は針を当てるだけなので大面積ウェハの面内マッピングに向き、ファンデルパウ法は切り出した試料片の絶対値評価と、同じ電極を使ったホール測定に向きます。研究開発の材料評価ではファンデルパウ法、量産ラインの工程モニタでは四探針法が主に使われます。