抵抗率(比抵抗)とは、材料の電気の流れにくさを形状によらず表した物性値で、単位はΩ·cm です。断面積 A・長さ L の一様な試料の抵抗 R は R = ρL/A と書け、抵抗率 ρ が分かれば任意の形状の抵抗を計算できます。
半導体の抵抗率は ρ = 1/{q(nμ_n + pμ_p)} と表されます。ここで重要なのは、抵抗率がキャリア濃度と移動度の積でしか決まらないという点です。抵抗率が同じ2枚のウェハでも、キャリア濃度と移動度の組み合わせは全く違うことがあり得ます。両者を分けて知るにはホール効果測定が必要になります。
シリコンの抵抗率は、ドーピングによって桁で動きます。不純物を含まない真性シリコンは室温でおよそ3×10⁵Ω·cm と絶縁体に近い一方、デバイス用のウェハは用途に応じて0.001〜100Ω·cm 程度に作り分けられます。パワーデバイスの耐圧層には高抵抗率(低ドープ)の層が、低抵抗が要る基板やコンタクト領域には低抵抗率(高ドープ)の層が使われます。抵抗率とドーピング濃度の換算には、実測に基づくアーヴィン曲線が広く使われています。
薄い層を扱うときは、抵抗率の代わりにシート抵抗(ρ/t、単位Ω/sq)を使うのが一般的です。膜厚を独立に測らなくても面方向の導電性を比較でき、拡散層・注入層・金属薄膜の評価に向くためです。
測定手法は目的で選びます。ウェハの面内分布を見るなら四探針法、切り出した試料片の絶対値評価とホール測定を兼ねるならファンデルパウ法、製品ウェハを傷つけたくない場合は渦電流式などの非接触法が使われます。