最終更新 2026-10-07

シート抵抗とは(四探針測定)

Sheet Resistance

シート抵抗とは、薄い導電層の抵抗を膜厚で規格化せずに表した量(Ω/sq)で、抵抗率を膜厚で割った値に等しく、正方形なら大きさによらず一定になります。ドーパントの活性化率と拡散の結果が1つの値に集約されるため、イオン注入と熱処理のモニタとして四探針法で測定されます。製品ウェハには測定痕が残らない光学式が使われます。

目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連する製品
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

シート抵抗とは、薄い導電層の抵抗を「膜厚で規格化しない」形で表した量で、単位はΩ/sq(オーム・パー・スクエア)です。抵抗率ρを膜厚tで割った値(ρ/t)に等しく、正方形の領域であれば大きさによらず同じ値になるという性質を持ちます。拡散層・注入層・金属薄膜・シリサイドなど、面方向に電流が流れる層の評価指標として使われます。

半導体製造でシート抵抗が重要なのは、イオン注入とアニールの結果をまとめて反映する指標だからです。注入したドーパントのうち何割が電気的に活性化したか、アニールでどれだけ拡散したかは、個別に測るのが難しい一方、シート抵抗という1つの量に集約されて現れます。そのため注入・熱処理工程のモニタとして、ロットごとにモニタウェハを流して測定するのが定番の運用です。

測定は四探針法(4-point probe)が標準です。等間隔に並べた4本の針のうち外側2本から電流を流し、内側2本で電圧を測ることで、探針と試料の接触抵抗を除いた真の抵抗を得ます。得られた値に試料形状で決まる補正係数(無限に広い薄膜では約4.53)を掛けてシート抵抗を求めます。針を当てるため測定痕が残り、製品ウェハには使えないのが難点です。

そこで製品ウェハには非接触の手法が使われます。光の吸収による熱波や、キャリア励起に伴う反射率変化を利用する光学式の測定装置(サーマウェーブ系)が代表で、注入ダメージ量やドーズ量の相対変化をウェハを傷つけずにマップとして取得できます。ドーズ量の面内均一性は、こうしたマップで日常的に管理されます。

配線工程でもシート抵抗は使われます。銅配線やバリアメタル、シリサイドの膜厚と品質の指標として測定され、設計側の抵抗値見積もりと突き合わせられます。膜厚計測やCD計測と並ぶ、前工程の基本的な電気的モニタ手法です。

図解

シート抵抗(Ω/sq)の定義・計算・工程モニタとしての使い方・測定法
膜厚を測らなくても、薄膜の導電性を1つの値で比べられる。

関連するデータ・ツール

計算・換算ツールシート抵抗・抵抗率計算ツール(4探針法・濃度換算)計算・換算ツールイオン注入プロファイル計算ツール(Rp・ピーク濃度・接合深さ)計算・換算ツールホール効果測定(ファン・デル・パウ法)解析ツール

よくある質問(FAQ)

シート抵抗の単位Ω/sqはどういう意味ですか?
抵抗率を膜厚で割った値で、正方形の領域であれば一辺の長さによらず同じ抵抗値になるという性質を表しています。正方形をいくつ並べたかで全体の抵抗が決まるため、薄膜の評価では膜厚を分離せずこの形で扱うのが便利です。
なぜイオン注入の管理にシート抵抗を使うのですか?
注入したドーパントのうち何割が活性化したか、アニールでどれだけ拡散したかが、この1つの値に集約されて現れるためです。個別に測るのが難しい活性化率と拡散量を、まとめてモニタできる実用的な指標になっています。
四探針法はなぜ4本の針を使うのですか?
外側2本で電流を流し、内側2本で電圧を測ることで、探針と試料の接触抵抗を測定から除外できるためです。2本だけでは接触抵抗が加算されて正しい値が出ません。測定痕が残るため製品ウェハには非接触の光学式が使われます。

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

RT-3000/RG-2000ナプソン・シート抵抗測定装置
Filmetrics® R54KLA・シート抵抗測定装置
VR300DH3Kokusai Electric(国際電気)・シート抵抗測定装置
NC-80MAPナプソン・ウェハ基板検査装置
CAPRES A301 microRSP®KLA・シート抵抗測定装置

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Applied Materials米国Axcelis Technologies米国住友重機械イオンテクノロジー日本日新イオン機器日本PSK Holdings韓国Kokusai Electric(国際電気)日本

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. ナプソン「RT-3000/RG-2000 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  2. KLA「Filmetrics® R54 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  3. Kokusai Electric(国際電気)「VR300DH3 製品ページ」(2026/10/07 確認)