計算ツール

圧力・真空度の単位換算ツール(Torr・Pa・mbar)

最終更新:2026-08-18

要点

1 Torr は定義上ちょうど1/760気圧で、約133.322 Pa です。半導体装置では米国製装置がTorr・mTorr、欧州製ポンプがmbar、仕様書やSI表記がPaと混在しており、なかでも1 mbar=750 mTorr という桁の近い単位同士の取り違えが事故につながります。このツールは真空度の代表値をプリセットから呼び出して、主要な圧力単位へ一度に換算します。

圧力・真空度を換算する

真空度の代表値(Torr で入力されます)
1 Torr133.32Pa
ほかの単位での値
PaSI単位。装置仕様書の標準133.32
hPa1.3332
kPa0.13332
MPaCMP荷重・配管圧1.3332×10⁻⁴
mbar欧州製ポンプ・真空計1.3332
bar0.0013332
mTorrエッチング・スパッタのプロセス圧1000
μmHg(micron)mTorr と同値。粗引き真空の表記1000
mmHgTorr とほぼ同じだが定義が別1
psi北米のガス供給圧0.019337
inHg北米の真空計0.03937
kgf/cm²国内の旧図面・エア配管0.0013595
atm0.0013158

真空計が示すのは絶対圧です。工場ユーティリティで使うゲージ圧(psig・MPaG)は大気圧を0とした値なので、絶対圧に直すには大気圧(101.325kPa)を足してください。

主要な圧力単位の換算早見表

入力PaTorrmbarpsi
1 Torr133.32211.333220.0193368
1 mTorr0.1333220.0010.001333221.93368×10⁻⁵
1 Pa10.007500620.011.45038×10⁻⁴
1 kPa10007.50062100.145038
1 mbar1000.75006210.0145038
1 psi6894.7651.714968.94761
1 atm1013257601013.2514.6959

1 Torr は定義上ちょうど 1/760 気圧(約133.322 Pa)です。水銀柱の高さで定義される mmHg とは定義が異なりますが、実用上の差は0.000015%以下なので現場では同じものとして扱われます。粗引き真空でよく見る「ミクロン(μmHg)」は mTorr と同じ値です。

真空領域とポンプの対応

領域圧力の目安半導体での用途主なポンプ
大気圧101,325 Pa(760 Torr)ロードポート・大気搬送
低真空100 〜 10⁵ Paロードロックの粗引きドライポンプ
中真空0.1 〜 100 PaCVD・エッチングのプロセス圧ドライポンプ+メカニカルブースター
高真空10⁻⁵ 〜 0.1 Paスパッタ・イオン注入・電子ビームターボ分子ポンプ
超高真空10⁻⁵ Pa 未満MBE・表面分析・EUV光源周辺ターボ+クライオポンプ+ベーキング

真空領域の区分は規格によって境界が多少違います。半導体製造で圧倒的に使用頻度が高いのは中真空〜高真空で、プラズマを安定に維持できる数 mTorr 〜 数百 mTorr がエッチング・スパッタのプロセス圧になります。圧力が下がるほど平均自由行程が伸び、粒子が壁や他分子と衝突せずに基板へ到達するようになるため、成膜の指向性やステップカバレッジが変わります。

現場で単位を間違えやすいところ

  • 絶対圧とゲージ圧:真空計は絶対圧、工場のエア・ガス配管の圧力計は多くがゲージ圧(psig・MPaG)です。ゲージ圧に大気圧(101.325 kPa)を足すと絶対圧になります。
  • mbar と mTorr:どちらも「m」が付きますが 1 mbar = 0.75 Torr = 750 mTorr で、桁が約3つ違います。欧州製ポンプの仕様書と米国製装置のレシピを突き合わせるときの定番の事故です。
  • ポンプの排気速度と流量:排気速度は L/s や m³/h(体積流量)、ガス流量は sccm(質量流量に相当)で、そのままでは比較できません。圧力を掛けて Pa·m³/s に揃えると同じ土俵に乗ります。
  • 真空計の種類による有効範囲:ピラニ真空計は大気圧〜10⁻¹ Pa程度、電離真空計は10⁻¹ Pa以下と守備範囲が違います。表示値だけを見て換算しても、その計器の測定範囲外なら意味がありません。

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