比較製造基盤最終更新 2026-10-03

集積回路(IC)と半導体の違い

ニュースでは「半導体不足」「半導体工場」のように、半導体という言葉が集積回路(チップ)とほぼ同じ意味で使われます。一方で、技術の文脈では半導体は材料の名前でもあります。ここでは、半導体と集積回路の言葉の関係を整理します。

Verdict結論

半導体は、本来は電気の通しやすさが導体と絶縁体の中間にある物質(シリコンなど)を指す言葉で、そこから半導体で作った部品全般も指すようになりました。集積回路(IC)は、その半導体の上にトランジスタや抵抗などの多数の素子と配線を作り込み、1つのチップにまとめた製品です。つまり集積回路は半導体製品の一種で、半導体製品には集積回路のほかに、ダイオードやパワートランジスタなどの個別の素子(ディスクリート)、LEDやイメージセンサーなどの光デバイス、センサーが含まれます。

主な違い

半導体と集積回路(IC)の観点別比較
観点半導体集積回路(IC)
もともとの意味電気の通しやすさが導体と絶縁体の中間の物質多数の素子と配線を1つのチップにまとめた電子回路
指す範囲材料、および半導体で作った部品全般半導体製品のうちの一分類
代表的な例シリコン、SiC、GaN、GaAs、およびその部品CPU、GPU、メモリ、マイコン、ASIC
含まれる製品集積回路+ディスクリート+光デバイス+センサーロジック・メモリ・アナログ・マイコンなど
英語SemiconductorIntegrated Circuit(IC)
関連する呼び方半導体デバイス、半導体素子LSI、VLSI、チップ、SoC

半導体は「材料」から「製品」の呼び名へ

半導体は、金属のように電気をよく通す導体と、ガラスのようにほとんど通さない絶縁体の中間の性質を持つ物質です。不純物の量や電圧・光・温度によって電気の通しやすさを大きく変えられるため、電気の流れを制御する部品の材料になります。こうした部品を半導体デバイス(半導体素子)と呼び、日常的にはそれを略して半導体と呼ぶようになりました。半導体産業、半導体メーカーと言うときの半導体は、多くの場合この製品の意味です。

集積回路は半導体製品の大部分を占める

集積回路は、1枚のシリコンのチップの上に、トランジスタ・抵抗・容量などの素子を多数作り込み、配線でつないで1つの回路にしたものです。規模の大きいものをLSI(大規模集積回路)やVLSIと呼び、CPUやGPU、メモリ、マイコンなどがこれにあたります。半導体の市場統計では、集積回路が売上の大部分を占め、残りをディスクリート、光デバイス(オプトエレクトロニクス)、センサーが占めています。

集積回路ではない半導体製品

パワー半導体のMOSFETやIGBT、整流用のダイオード、LEDや半導体レーザー、イメージセンサーの一部、各種のセンサーなどは、集積回路ではない半導体製品です。特にパワー半導体は、1つの素子で大きな電力を扱うことが役割で、集積度ではなく耐圧や損失で性能を競います。半導体と集積回路の違いを意識すると、市場の統計やニュースの読み方が正確になります。

よくある質問

半導体とチップは同じ意味ですか?
日常的にはほぼ同じ意味で使われますが、厳密には異なります。チップはウェハから切り出した1つ1つの半導体の小片を指し、集積回路のチップを指すことが多い言葉です。半導体はより広く、材料や、集積回路以外の部品も含む言葉です。
ICとLSIの違いは何ですか?
どちらも集積回路を指し、LSI(Large Scale Integration)は集積の規模が大きいものを指す呼び方です。かつては素子の数でIC・LSI・VLSIなどと呼び分けていましたが、現在はほとんどの集積回路が大規模なため、区別せずに使われることが多くなっています。

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