ボールボンディング(Ball Bonding)は、ワイヤボンディングの代表的な方式で、金線(またはアルミ・銅線)の先端を放電(EFO:Electric Flame-Off)で溶融させて球状のボールを形成し、超音波と加圧・熱を併用してチップの電極パッドに接合する技術である。その後ワイヤをループさせ、リードフレームまたは基板側にウェッジ接合(2ndボンド)して1本のワイヤ接続が完成する。
ボールを介した接合は接触面積を確保しやすく、機械的強度と電気的接続の信頼性が高いことから、民生機器・スマートフォン・ICパッケージ全般で最も広く使われているワイヤボンディング方式である。ワイヤ材料は従来の金線から、コスト低減を目的とした銅線・パラジウム被覆銅線(PCC)への置き換えが進んでいる。
装置面では毎秒10本以上の高速ボンディングが可能な自動ボールボンダーが量産ラインの標準であり、ワイヤ径は数十μm程度と極めて細い。ウェッジボンディングがアルミ線を使い水平方向に接合するのに対し、ボールボンディングは金・銅線を使い、より微細なパッドピッチ・高密度な多ピン接続に適している。
主要装置メーカーはKulicke & Soffa(K&S)・ASMPT・新川(Shinkawa)などで、車載・パワー半導体向けの太線ボンディングから、先端ロジックの微細ピッチ多ピンボンディングまで幅広い装置ラインナップが提供されている。