ウェッジボンディング(Wedge Bonding)は、ワイヤボンディングの一方式で、超音波エネルギーと加圧のみ(ボールを形成せず)でワイヤを電極パッドに水平方向から接合する技術である。主にアルミ線(Al線)を使用し、常温でボンディングできることから、熱に弱いデバイスや大電流を扱うパワー半導体の接続に広く使われる。
ボールボンディングが放電でボールを形成して垂直に接合するのに対し、ウェッジボンディングはキャピラリー(ツール)でワイヤを押し付けながら超音波振動で金属間接合を形成するため、接合部の高さが低く、直線的な配線経路(低ループ)が得られる。アルミ線は太線化しやすく、径100〜500μmの太いアルミ線・リボン線を用いることで大電流通電に対応できる。
パワーモジュール(IGBT・SiC MOSFET)・車載インバータでは、高電流密度に耐えるアルミ太線・アルミリボンウェッジボンディングが標準的に使われており、EV・産業機器向けパワー半導体の信頼性を支える基盤技術となっている。近年は銅線ウェッジボンディングの採用も拡大している。
主要装置メーカーはKulicke & Soffa・ASMPT・新川(Shinkawa)で、パワー半導体向けには太径ワイヤに対応した専用の重ウェッジボンダーが提供されている。