ナノインプリントリソグラフィ(NIL:Nano-Imprint Lithography)は、ナノ構造を刻んだスタンプ(テンプレート)を樹脂(レジスト)に物理的に押し付け、パターンを転写するリソグラフィ技術です。フォトリソグラフィのように光の回折限界に縛られず、テンプレートの形状通りにパターンを形成できるため、理論上は数nm以下のピッチも実現可能です。キヤノン(FPA-1200NZシリーズ)が半導体向けNIL装置を量産しており、KIOXIAの3D NAND製造への適用が進んでいます。
NILの主なプロセスは、1液体UVレジストをウェハに塗布、2ナノ構造を刻んだ石英テンプレートを押し付け、3UV照射でレジストを硬化、4テンプレートを引き剥がしてパターン形成、という4工程です。1ショットで多数のナノパターンを同時形成でき、装置コストとランニングコストがEUV露光装置よりも大幅に低い可能性があります。ただし、テンプレートの欠陥がウェハ全面に転写されるリスクがあり、テンプレート欠陥管理・修正技術が重要な課題です。
EUVと比較したNILの位置づけは補完的です。EUVが複雑な多層回路の2次元パターニングに強みを持つのに対し、NILは同一パターンの高スループット繰り返し形成(3D NANDセルアレイ・HDD磁気パターン)に適しています。KIOXIAはNILを3D NANDのセルアレイ層に適用しコスト削減を追求しており、次世代の量産露光技術候補として注目されています。nanoimprint-vs-euvの比較記事で両者の詳細な比較をご確認ください。