最終更新 2026-10-07

コバルト配線とは

Cobalt Interconnect
目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連する製品
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

コバルト配線(Cobalt Interconnect)とは、半導体チップのローカル配線層(M0:コンタクト層〜M1程度)に、従来のタングステン(W)や銅(Cu)の代わりにコバルト(Co)を使用する配線技術です。Intelが2016年頃の10nmプロセス(後の7nm相当)でコンタクトプラグとローカル配線にCoを採用し、業界に広く認知されました。Applied MaterialsはCo成膜装置を製品化し、その普及を後押ししています。

コバルト配線が採用された背景は、タングステンの限界にあります。タングステンはCVDで成膜され長らくコンタクト/ビアのプラグ材料として使われてきましたが、配線幅が20nm以下になると抵抗率が急増するという問題があります。コバルトはWより低い比抵抗(バルク値:約6μΩ·cm、WはCVD成膜で約20μΩ·cm超)を持ち、さらにCu配線との親和性が高く、Cu拡散バリアとライナーを兼ねる薄膜として機能できます。

コバルトのCVD・ALD成膜には、有機コバルト前駆体(Co₂(CO)₈等)を用いた低温プロセスが採用されています。成膜後にCMPで平坦化し、ローカル配線またはコンタクトプラグを形成します。コバルトはCuと異なりシリコン中への拡散が比較的小さく、バリア膜を薄くできるため、実効的な配線断面積を拡大できます。ただしグレインサイズが小さく粒界散乱の影響は残るため、さらなる微細化ではルテニウム(Ru)が後継として検討されています。

Intelのハイブリッド配線戦略(M0:Ru、M1:Co、M2以上:Cu)に示されるように、各配線層の寸法と要求特性に応じて最適な金属を選択する「配線材料多様化」が進んでいます。TSMCやSamsungも一部のプロセスでコバルトを採用しており、局所的な低抵抗コンタクト形成に活用されています。

コバルト配線の普及は、Co前駆体材料メーカー(Umicore・Merck・Air Liquide等)やCVD/ALD装置メーカー(Applied Materials・Lam Research)にとってビジネス拡大の機会を提供しています。コバルトは希少金属でありコンゴ民主共和国への供給依存という地政学リスクもあるため、材料調達の多様化とリサイクル技術の開発も進んでいます。

図解

コバルト配線が採用された理由(細線抵抗・バリア・EM耐性)
その先の候補として、ルテニウムやモリブデンも研究されている。

紛らわしい言葉の切り分け

銅配線とコバルト・ルテニウム配線。銅はもともとの抵抗が最も低い金属ですが、配線が細くなると表面や粒界での散乱で抵抗が急に上がり、バリア膜も断面積を削ります。コバルトやルテニウムは細い配線でも抵抗の上がり方が緩く、バリアを薄くできるため、最も細いローカル配線で使われ始めています。 比較記事 →

関連するデータ・ツール

計算・換算ツール配線RC遅延計算ツール(Cu・Co・Ru・Mo比較)

この用語を扱う職種

前工程(ウェハプロセス)配線工程(メタライゼーション)エンジニア

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

Endura® Cirrus™ HT Co PVDApplied Materials・PVD装置
Endura® Volta® Cobalt CVDApplied Materials・CVD装置

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. Applied Materials「Endura® Cirrus™ HT Co PVD 製品ページ」(2026/10/07 確認)