最終更新 2026-10-19

ロードロック室とは

Load Lock Chamber

ロードロック室とは、大気側とプロセスチャンバーの間に置く中間の小型真空室です。容積の小さな部屋だけを大気⇔真空で往復させることで、プロセスチャンバーを常時真空に保ち、真空引き時間と水分吸着によるプロセス変動を抑えます。急激な排気・ベントはパーティクルを巻き上げるため、スローポンプ/スローベント制御が組み込まれます。

目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ

定義・解説

ロードロック室は、大気側とプロセスチャンバー(真空側)の間に設けられる中間の小型真空室です。ウェハを装置に入れるたびにプロセスチャンバーを大気開放していては、真空引きに長時間かかり、水分や酸素の吸着でプロセスが不安定になります。ロードロックは容積の小さな部屋だけを大気⇔真空で往復させることで、プロセスチャンバーを常時真空に保つ仕組みです。

動作は、①大気側バルブを開けてウェハを搬入、②密閉して真空引き、③真空側スリットバルブを開けてトランスファーチャンバーへ受け渡し、という手順を1枚ごと(または数枚まとめて)繰り返します。真空引きと大気復帰(ベント)に要する時間はそのまま装置のスループットに影響するため、容積の最小化、排気系の設計、N₂ベントの流量制御が最適化の対象になります。

ロードロックはパーティクルとウォーターマークの管理点でもあります。急激な排気は気流の乱れでパーティクルを巻き上げ、急激なベントも同様です。そのため、スローポンプ・スローベントと呼ばれる段階的な圧力変化制御が組み込まれます。乾燥N₂でベントするのは、大気中の水分がウェハ表面に吸着して自然酸化膜の成長やレジストの変質を招くのを防ぐためです。

先端プロセスでは、ロードロックを単なる出入り口ではなく、加熱・冷却・脱ガスの前処理室として機能させる設計も一般的です。プロセス前にウェハを予熱・脱水することで、成膜の初期挙動を安定させ、チャンバー内への水分持ち込みを減らします。

構成部品としては、スリットバルブ・Oリング・真空ポンプ・真空計・ベント用MFCが集約されており、装置の中でも機械的な動作回数が最も多い部位のひとつです。したがって、シール材と駆動部の寿命管理がPM計画の中核となります。

図解

ロードロック室の動作(大気側投入・真空引き・真空側受け渡し・ベント)
大気と真空のあいだの「エアロック」の役目をする小部屋。

関連するデータ・ツール

計算・換算ツール真空排気時間・コンダクタンス 計算ツール

この用語を扱う職種

装置・材料メーカー機械設計エンジニア(半導体製造装置)装置・材料メーカー真空技術エンジニア装置・材料メーカーウェハ搬送ロボットエンジニア

よくある質問(FAQ)

ロードロック室がないとどうなりますか?
ウェハを入れるたびにプロセスチャンバーを大気開放することになり、再び真空にするのに長時間かかります。さらに壁面に吸着した水分や酸素が放出されてプロセスが不安定になります。ロードロックは容積の小さな部屋だけを往復させることでこれを回避します。
スローポンプ・スローベントとは何ですか?
急激な排気(ポンプダウン)やベント(大気復帰)を避け、段階的に圧力を変化させる制御です。急な圧力変化は気流の乱れを生んでパーティクルを巻き上げ、ウェハに付着させます。ベントに乾燥N₂を使うのは水分吸着を防ぐためです。

設備の製造メーカー

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