不純物準位とは、不純物の原子がバンドギャップの中に作るエネルギーの準位です。リンやホウ素のようにバンドの端の近くにできる浅い準位は、室温でほぼすべてイオン化してn型・p型を作ります。金属不純物や欠陥がバンドギャップの中央付近に作る深い準位は、再結合の中継点になってキャリアの寿命を縮め、リーク電流を増やします。
目次6項目
- 定義・解説
- 図解
- よくある質問
- 関連用語
- 比較・違いを学ぶ
- 出典・参考資料
定義・解説
不純物準位とは、半導体の結晶に不純物の原子が入ったときに、本来は電子の状態がないバンドギャップの中にできるエネルギーの準位です。どの位置にできるかによって、不純物の働きが大きく変わります。
伝導帯や価電子帯のすぐ近くにできる準位を浅い準位と呼びます。シリコンに入れたリンは伝導帯の下約45meV、ヒ素は約54meV、アンチモンは約39meVにドナー準位を作り、ホウ素は価電子帯の上約45meVにアクセプタ準位を作ります。これらは室温の熱エネルギー(約26meV)でほぼすべてイオン化するため、電子や正孔を供給してn型・p型の半導体を作るのに使われます。浅い準位の深さは、水素原子のモデルに有効質量と誘電率を当てはめるとおおよそ見積もれます。
一方、バンドギャップの中央付近にできる準位を深い準位と呼びます。金・鉄・銅・ニッケルなどの金属不純物や、結晶欠陥が作ることが多く、電子と正孔の再結合の中継点になってキャリアの寿命を縮め、pn接合のリーク電流を増やします。ただし、パワーデバイスでは白金や電子線照射で意図的に深い準位を作り、スイッチングを速くすることもあります。深い準位はDLTS(深い準位過渡分光)などで調べます。
図解
室温の熱エネルギーは約26meV。浅い準位はほぼすべてイオン化する。よくある質問(FAQ)
浅い準位と深い準位の違いは何ですか?
浅い準位は伝導帯や価電子帯のすぐ近く(シリコンでは数十meV)にでき、室温で電子や正孔を出してn型・p型を作ります。深い準位はバンドギャップの中央付近にでき、電子と正孔の再結合を助けてキャリアの寿命を縮めます。ドーパントは浅い準位、金属汚染は深い準位を作ることが多いです。
不純物準位はどうやって測りますか?
浅い準位は、低温で電気伝導やホール効果の温度変化を測り、イオン化のエネルギーを求める方法がよく使われます。深い準位は、DLTS(深い準位過渡分光)で、温度を変えながら準位から電子が抜け出す速さを測って、準位の深さと濃度を求めます。
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