InFO(Integrated Fan-Out:インテグレーテッド・ファン・アウト)は、TSMCが開発・量産するファン・アウト型ウェハレベルパッケージング(FOWLP)技術です。チップをウェハ上に直接埋め込み(再構成ウェハ化)、再配線層(RDL)でパッケージ外部端子に接続する構造で、基板レス・薄型・高密度配線を実現します。2016年にApple iPhone 7向けA10プロセッサへの採用で量産実績が確立され、以降Apple SoCの主力パッケージング技術として採用が継続しています。
InFOのプロセスは、チップをウェハ上に再配置しモールド樹脂で充填して再構成ウェハを形成し、表面にRDLを形成して端子を引き出す工程です。基板(パッケージ基板)が不要なため、従来のFlip-chip BGA比でパッケージ高さを約20〜30%薄型化できます。TSMCはInFO-WLP(通常版)・InFO-PoP(スマートフォン向けSoC+メモリ積層版)・InFO-SoIC(3D IC統合版)など複数のバリアントを展開しています。
InFOはCoWoSと並ぶTSMCの先端パッケージング二本柱です。CoWoSがシリコンインターポーザを使用する高性能AI/HPC向けであるのに対し、InFOはインターポーザ不使用で低コスト・薄型を実現し、スマートフォン・ウェアラブル・IoT向けSoCに最適です。InFO-SoICでは複数チップの3D直接ボンディングも可能で、メモリとロジックのモノリシック3D統合にも展開されています。cowos-vs-infoの比較記事で両者の違いを詳しく解説しています。