圧電効果とは、ある種の結晶に力を加えると電圧が現れ、逆に電圧をかけると変形する性質のことです。力から電気が出るほうを正圧電効果、電気で動くほうを逆圧電効果と呼びます。結晶の中で正と負の電荷の重心がずれることで起こるため、対称性の高い結晶では現れません。
半導体の分野では、材料を薄膜にして微細加工と組み合わせる使い方が中心です。窒化アルミニウム(AlN)やPZTの薄膜をシリコン上に成膜し、加速度センサー、マイク、超音波の送受信素子、微小なアクチュエータとして作り込みます。MEMSが機械的な動きを扱えるのは、この効果を使った素子が多いためです。
最も身近な応用は、スマートフォンの高周波フィルタです。電気信号をいったん結晶の振動(弾性波)に変え、決まった周波数だけを通して電気に戻すSAWフィルタやBAWフィルタは、すべて圧電薄膜で作られています。通信の周波数帯が増えるほど必要なフィルタの数が増えるため、半導体に隣接する重要な部品分野になっています。