磁気センサーとは、磁界の強さや向きを電気信号に変える素子です。半導体で作られる代表がホール素子で、電流を流した半導体に磁界をかけると電圧が現れるホール効果を利用します。ほかに、磁性膜の抵抗が磁界で変わる性質を使ったMR素子があり、トンネル磁気抵抗(TMR)を使うものは特に感度が高いことで知られます。
用途は、位置と回転と電流の検出です。モーターの回転角を読む、車のアクセルやシフトの位置を検出する、電線に流れる電流を非接触で測る、スマートフォンで方位を知る、といった使い方があります。接触せずに測れるため摩耗がなく、油や泥で汚れる環境でも動くのが機械式のスイッチに対する強みです。
作り方は用途によって分かれます。ホール素子はシリコンの標準的なCMOS工程に組み込めるため、増幅回路や補正回路と1チップにまとめられます。TMR素子は磁性多層膜の成膜が必要で、MRAMと共通する薄膜技術が使われます。温度によって感度が変わるため、補正回路と組み合わせて精度を出すのが設計の要点です。