シート抵抗・抵抗率計算ツール(4探針法・濃度換算)

最終更新:2026-09-21

要点

シート抵抗は4探針法で Rs = 4.532 × V/I(十分に大きい薄膜の場合)として求まり、層厚 t を掛けると抵抗率 ρ になります。抵抗率は ρ = 1/(qNμ) でドーピング濃度 N と移動度 μ の両方に依存し、移動度が濃度とともに下がるため、濃度を10倍にしても抵抗率は10分の1より小さくしか下がりません。

4探針法:シート抵抗と抵抗率

シート抵抗 Rs9.971Ω/sq
抵抗率 ρ = Rs·t·F4.986×10⁻⁴Ω·cm
形状補正係数 C4.5324
厚さ補正係数 F(t/s)1.0000

無限に広く薄い試料では Rs = (π/ln2)·V/I ≒ 4.532·V/I です。試料が有限の円形の場合はSmitsの直径補正、層厚が探針間隔に比べて無視できない場合は厚さ補正(下地が絶縁性の場合)を掛けています。pn接合で分離された拡散層を測るときは、接合が絶縁とみなせる条件(逆バイアス・低電流)で測る必要があります。

ドーピング濃度 ⇄ 抵抗率(シリコン・300K)

抵抗率 ρ = 1/(qNμ)4.583Ω·cm
移動度 μ1362cm²/V·s
一様にドープした層のシート抵抗45,830Ω/sq
ρ=10 Ω·cm に対応する濃度4.51×10¹⁴cm⁻³
そのときの移動度1384cm²/V·s

室温で不純物がすべてイオン化している前提です。10¹⁹ cm⁻³ を超える高濃度域では活性化率や縮退の影響で実測とずれやすく、ASTM F723(Thurber表)と比べて数十%の差が出ることがあります。

濃度別の移動度・抵抗率早見表

Caughey–Thomas モデルによるシリコン(300K)の計算値
濃度 [cm⁻³]μn [cm²/Vs]ρ n型 [Ω·cm]μp [cm²/Vs]ρ p型 [Ω·cm]
1.0×10¹⁴140444.5469133
1.0×10¹⁵13624.5846213.5
1.0×10¹⁶11840.5274291.45
1.0×10¹⁷7210.08653170.197
1.0×10¹⁸2770.02251530.0408
1.0×10¹⁹1155.44×10⁻³718.81×10⁻³
1.0×10²⁰788.03×10⁻⁴501.25×10⁻³

シート抵抗・抵抗率・濃度の関係

シート抵抗 Rs[Ω/sq]は、抵抗率 ρ を層の厚さ t で割った値です。正方形の膜の対辺間の抵抗は、正方形の大きさによらず Rs になるため「Ω/sq(オーム・パー・スクエア)」と書きます。拡散層やシリサイド、金属膜のように厚さが不確かな層でも、4探針で直接測れる量なのでプロセス管理の基本指標になっています。

抵抗率は ρ = 1/(qNμ) でドーピング濃度 N と移動度 μ の両方に依存します。移動度自体が濃度とともに下がる(不純物散乱)ため、濃度を10倍にしても抵抗率は10分の1より小さくしか下がりません。抵抗率だけからは N と μ を分離できないので、両者を個別に知りたいときはホール効果測定を併用します。

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