不純物拡散(拡散係数・接合深さ)計算ツール
最終更新:2026-09-26
要点
表面濃度一定の予備拡散では濃度は Cs·erfc(x/2√(Dt)) の分布に、総量一定のドライブインではガウス分布になり、どちらも拡散長 2√(Dt) で深さが決まります。拡散係数は D = D0·exp(−Ea/kT) で温度に指数関数的に依存し、100℃上がると1〜2桁大きくなります。接合深さは不純物濃度が基板濃度と等しくなる深さです。
入力
接合深さ xj1.211µm
表面濃度7.44×10¹⁸cm⁻³
総ドーズ Q3.11×10¹⁴cm⁻²
予備拡散の拡散係数 D₁4.21×10⁻¹⁵cm²/s
ドライブインの拡散係数 D₂1.52×10⁻¹³cm²/s
拡散長 2√(Dt)0.4711µm
真性拡散係数(Sze)による解析解です。酸化雰囲気での増速拡散(OED)、イオン注入ダメージによる過渡増速拡散(TED)は含みません。現代のプロセスでは TCAD(Sentaurus Process 等)で計算するのが前提で、このツールは概算と教育用です。
濃度プロファイル
温度別の拡散係数(cm²/s)
| 温度 | B | P | As | Sb | ボロン(B)の1時間の拡散長 |
|---|---|---|---|---|---|
| 900℃ | 1.04×10⁻¹⁵ | 7.28×10⁻¹⁶ | 1.63×10⁻¹⁶ | 4.47×10⁻¹⁷ | 0.039 µm |
| 950℃ | 4.21×10⁻¹⁵ | 3.20×10⁻¹⁵ | 6.87×10⁻¹⁶ | 1.96×10⁻¹⁶ | 0.078 µm |
| 1000℃ | 1.53×10⁻¹⁴ | 1.25×10⁻¹⁴ | 2.59×10⁻¹⁵ | 7.62×10⁻¹⁶ | 0.148 µm |
| 1050℃ | 5.03×10⁻¹⁴ | 4.41×10⁻¹⁴ | 8.82×10⁻¹⁵ | 2.68×10⁻¹⁵ | 0.269 µm |
| 1100℃ | 1.52×10⁻¹³ | 1.42×10⁻¹³ | 2.75×10⁻¹⁴ | 8.59×10⁻¹⁵ | 0.468 µm |
| 1150℃ | 4.25×10⁻¹³ | 4.21×10⁻¹³ | 7.91×10⁻¹⁴ | 2.54×10⁻¹⁴ | 0.782 µm |
erfc 分布とガウス分布
不純物ガスやドープ酸化膜から表面濃度を一定に保ったまま拡散させると、濃度は相補誤差関数(erfc)の形になり、時間とともに不純物の総量が増えていきます(予備拡散・プリデポジション)。その後、供給源を取り除いて高温で熱処理すると、総量一定のまま内部へ広がってガウス分布になります(ドライブイン)。拡散の進み具合はどちらも Dt の平方根、つまり拡散長 2√(Dt) で決まります。
拡散係数は温度に対して指数関数的に変わり、100℃上がると1〜2桁大きくなります。微細化したトランジスタでは接合を浅く保つため、イオン注入でドーズを正確に入れたあと、スパイクアニールやフラッシュランプアニールのように Dt を極小にした熱処理で活性化だけを行います。