再生ウェハ(リクレームウェハ)とは、一度使用したウェハの表面の膜とパターンを除去し、研磨・洗浄して再び使える状態に戻したウェハです。デバイスの量産には使われず、装置の立ち上げ・条件出し・パーティクル管理・膜厚モニタなどに使うテストウェハ(モニタウェハ、ダミーウェハ)として消費されます。
ファブでは、製品ウェハと同じ枚数に匹敵する量のテストウェハが日常的に消費されます。装置のPM後に清浄度を確認する、成膜レートを校正する、搬送系の動作を確認する、バッチ炉の空きスロットを埋めるといった用途があり、これらすべてに新品のプライムウェハを使えばコストが跳ね上がります。再生ウェハは、その差額を埋める経済的な選択肢です。
再生の工程は、①膜剥離(酸・アルカリでの化学剥離、または研削による物理除去)、②研磨(表面のパターン痕と変質層を除去)、③洗浄・検査、という順に進みます。1枚のウェハは再生のたびに数μm〜数十μm薄くなるため、規格の厚み下限に達するまで数回から十数回の再生が可能です。厚みが規格外になったものは原料として溶解されます。
再生ウェハの品質は用途に応じて段階があります。パーティクル管理用のモニタウェハには高い清浄度と平坦度が求められる一方、炉のスロット埋めに使うダミーウェハには外観と汚染がなければ十分です。デバイスメーカーは、用途ごとにグレードを分けて調達し、金属汚染の持ち込みを防ぐために工程間でのウェハの使い回しルールを定めます。
再生市場は、ウェハメーカーとは別のリクレーム専業事業者が担っています。半導体の生産量に比例して需要が動くため市況の影響を受けやすく、また先端ファブほどテストウェハの消費量が多いことから、ファブの運用コスト削減と廃棄物削減(サステナビリティ)の両面で注目される領域です。