最終更新 2026-10-09

両面研磨とは(DSP)

Double Side Polishing (DSP)

両面研磨(DSP)とは、コロイダルシリカ系スラリーを供給しながらウェハの表裏を同時に研磨する工程です。片面研磨ではウェハを固定するため裏面の凹凸が表面形状に転写されますが、DSPではウェハが上下から均等に加圧されて自由に浮くため、TTVとナノトポグラフィが大幅に改善します。露光の焦点余裕が浅くなった300mm世代では事実上の必須工程です。

目次9項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. よくある質問
  5. 設備の製造メーカー
  6. 関連する製品
  7. 関連用語
  8. 比較・違いを学ぶ
  9. 出典・参考資料

定義・解説

両面研磨(DSP:Double Side Polishing)とは、ウェハの表と裏を同時に研磨する工程です。研磨布を貼った上下の定盤でウェハを挟み、コロイダルシリカを含むアルカリ性スラリーを供給しながら、キャリアに保持したウェハを遊星運動させて両面を同時に加工します。300mmウェハの平坦度を作り込む中核工程です。

片面ずつ研磨する方式に対する決定的な利点は、平坦度が本質的に良くなることです。片面研磨ではウェハを定盤に吸着または貼り付けて固定するため、裏面の凹凸や貼り付けの歪みがそのまま表面形状に転写されます。両面研磨ではウェハが上下から均等に圧力を受けて自由に浮いた状態で加工されるため、この転写が起こらず、TTVやナノトポグラフィが大幅に改善します。

DSPが必須になったのは、リソグラフィの焦点余裕(DOF)が浅くなったためです。露光装置はウェハを真空またはピンチャックで保持するため、裏面の凹凸は表面の高さ変動に直結します。局所平坦度(SFQR)が規格を外れると露光時にパターンがぼけ、微細化が進むほどウェハ平坦度への要求は厳しくなります。

工程順としては、ラッピング(または両面研削)→ エッチングで加工変質層を除去 → DSPで平坦度と鏡面性を作る → 最終仕上げ研磨(ファイナルポリッシュ)で表面粗さとヘイズを詰める、という流れが標準です。仕上げ研磨は片面のみを軽く磨く工程で、ここでの粗さ(Ra 0.1nm級)とパーティクルレベルが出荷品質を決めます。

使用するスラリーはコロイダルシリカ(粒径数十nm)とアルカリ(KOH・アンモニア系)の組合せで、シリコン表面を化学的に軟化させながら砥粒で除去する、CMPと同じ化学機械研磨の原理です。ウェハメーカー各社が装置・スラリー・研磨布・キャリアの組合せをノウハウとして囲い込んでいる領域でもあります。

図解

両面研磨(DSP)と片面研磨の比較
コロイダルシリカ系のスラリーで、化学機械的に磨く。

紛らわしい言葉の切り分け

ラッピングと両面研磨。違いは削るか、磨くかです。ラッピングは砥粒で機械的に削る粗加工で、厚さと平坦度を短時間で整えますが、表面の下に加工ダメージが残ります。両面研磨は化学機械研磨で鏡面に仕上げる工程で、ラッピングのあとに行います。 比較記事 →

よくある質問(FAQ)

両面研磨が片面研磨より平坦度に優れるのはなぜですか?
片面研磨ではウェハを定盤に吸着・貼り付けて固定するため、裏面の凹凸や貼り付け歪みがそのまま表面形状に転写されます。両面研磨ではウェハが上下から均等に加圧されて自由に浮いた状態で加工されるため、この転写が起こらずTTVとナノトポグラフィが大幅に改善します。
DSPで使うスラリーは何ですか?
粒径数十nmのコロイダルシリカと、KOHやアンモニア系のアルカリを組み合わせたスラリーです。アルカリがシリコン表面を化学的に軟化させ、そこを砥粒が機械的に除去するという、CMPと同じ化学機械研磨の原理で働きます。
仕上げ研磨(ファイナルポリッシュ)は何のために行うのですか?
DSPで平坦度を作った後、片面だけを軽く磨いて表面粗さとヘイズ(曇り)を詰めるためです。ここで得られるRa 0.1nm級の粗さとパーティクルレベルが、ウェハの出荷品質を最終的に決定します。

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

AC 2000 P4Lapmaster Wolters・両面研磨装置(DSP)
DSM シリーズスピードファム・両面研磨装置(DSP)

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. Lapmaster Wolters「AC 2000 P4 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  2. スピードファム「DSM シリーズ 製品ページ」(2026/10/07 確認)