GLOSSARY

ワイヤーソーとは

Wire Saw
最終更新:2026-08-17ワイヤソー・スライシング装置ウエハ製造装置

ワイヤーソーとは?

ワイヤーソーとは、直径0.1mm前後のワイヤーを数百〜千本巻き付けた列にインゴットを押し当て、数百枚のウェハを一度にスライスする装置です。現在の主流はワイヤー表面にダイヤ砥粒を固着した固定砥粒方式で、切削が速く切り代も細くできます。スライス時のTTV・反り・加工変質層が、後続の研磨で除去すべき取り代を決めます。

定義・解説

ワイヤーソーとは、細い金属ワイヤーを高速で走らせてインゴットを薄くスライスし、ウェハの原型を切り出す装置です。直径0.1mm前後のワイヤーを2本のガイドローラーに数百〜千本分巻き付けて「ワイヤー列」を作り、そこにインゴットを押し当てることで、数百枚のウェハを一度に切り出します。

方式は2種類あります。従来の遊離砥粒方式は、砥粒(炭化ケイ素など)を分散させたスラリーをワイヤーに供給し、砥粒が転がりながら削るラッピング的な機構で切断します。現在主流の固定砥粒方式(ダイヤモンドワイヤー)は、ワイヤー表面にダイヤ砥粒を電着・樹脂固着したもので、切削速度が速く、スラリー処理が不要で、切り代(カーフ)も細くできます。

スライス工程が支配する品質は、ウェハの厚みばらつき(TTV)、うねり(Warp)、ソーマーク(切断痕)、そして加工変質層の深さです。切断中のワイヤーのたわみや振動はそのまま面の凹凸として残り、後工程のラッピング・研磨で除去しなければならない取り代の量を決めます。つまりスライスの精度が高いほど、後工程の負担と材料ロスが減ります。

経済性の観点では、切り代(カーフロス)の削減が最重要テーマです。切断によって粉になって失われるシリコンは、ウェハ1枚分の厚みに匹敵するほどの量になります。ダイヤモンドワイヤーの細線化が進められているのはこのためで、ワイヤー径を細くするほど1本のインゴットから取れる枚数が増えます。

SiCのようにダイヤモンドに次ぐ硬度を持つ材料では、ワイヤーソーの切断時間と材料ロスが特に大きな負担となります。そのため、レーザーで内部に改質層を作って剥ぎ取るレーザースライシングへの置き換えが進みつつあります。装置メーカーとしては、DISCO・東京精密・Meyer Burgerなどが知られています。

よくある質問(FAQ)

遊離砥粒方式と固定砥粒方式はどう違いますか?
遊離砥粒方式は砥粒入りスラリーを供給してワイヤーが砥粒を転がしながら削る方式、固定砥粒方式(ダイヤモンドワイヤー)はワイヤー表面にダイヤ砥粒を電着・固着して直接削る方式です。固定砥粒のほうが切削が速く、スラリー処理が不要で切り代も細くできるため現在の主流です。
スライスの精度はどこに影響しますか?
ウェハの厚みばらつき(TTV)・うねり・ソーマーク・加工変質層の深さに直結します。これらは後続のラッピングと研磨で除去しなければならないため、スライス精度が高いほど取り代が減り、材料歩留まりと工程時間の両方が改善します。

設備の製造メーカー

DISCO日本

「切る・削る・磨く」技術の世界的リーダー。ダイシングソー、グラインダで市場トップシェアを持ち、超薄ウェーハ加工…

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東京精密(Accretech)日本

日本の精密計測・半導体製造装置メーカー。ウェーハプロービングシステムおよびダイシング装置で高い技術力を誇る。

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マイヤーバーガー(Meyer Burger)CH

シリコンウェハ加工装置・太陽電池製造装置を手掛けるスイスの装置メーカー。ワイヤソー・スライシング技術を軸に、半…

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岡本工作機械製作所日本

精密研削・研磨装置の老舗メーカー。半導体向けバックグラインダー・ポリッシャー・CMPなど、ウェハ薄化と平坦化工…

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関連カテゴリ

ワイヤソー・スライシング装置
ウエハ製造装置

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