ワイブル分布(Weibull Distribution)とは、製品や部品が壊れるまでの時間(寿命)のばらつきを表すのに最もよく使われる確率分布です。スウェーデンのワロディ・ワイブルが材料の強度の分析のために提案しました。時刻tまでに故障する割合(累積故障率)F(t)は、F(t)=1−exp[−(t/η)^β]で表され、形状パラメータβ(ベータ)と尺度パラメータη(イータ)の2つで分布の形が決まります。
ワイブル分布の大きな利点は、形状パラメータβの値で故障の性質を読み取れることです。β<1では時間とともに故障率が下がる初期故障型、β=1では故障率が一定の偶発故障型、β>1では時間とともに故障率が上がる摩耗故障型を表し、バスタブ曲線の3つの期間にそれぞれ対応します。β=1のときは、故障率が一定の指数分布と一致し、平均故障時間(MTTF)は故障率λの逆数になります。尺度パラメータηは、全体の約63.2%が故障するまでの時間で、特性寿命と呼ばれます。
半導体の信頼性評価では、ゲート酸化膜の絶縁破壊(TDDB)、配線のエレクトロマイグレーション、はんだ接合の熱疲労などの寿命データの解析にワイブル分布が使われます。故障時間を両対数をとったワイブル確率紙(ワイブルプロット)に描くと、ワイブル分布に従うデータは直線に並び、その傾きがβ、累積63.2%の点がηとして読み取れます。加速試験で得たηを加速モデルで実使用条件に換算し、目標とする故障率を満たすかを判定します。SemiraiのワイブルツールでパラメータからF(t)と故障率を計算できます。