カーケンドールボイドとは

Kirkendall Void

最終更新:2026-10-03・パッケージング装置・信頼性試験装置|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

カーケンドールボイドとは?

カーケンドールボイドとは、2種類の金属が接する界面で、原子の拡散する速さが異なるために空孔が溜まってできる微小な空洞です。金ワイヤとアルミパッドの接合や、銅電極とはんだの接合で、高温に長く置くと金属間化合物の成長とともに生じ、接合強度の低下や剥がれの原因になります。ニッケルめっきなどで抑えます。

定義・解説

カーケンドールボイド(Kirkendall Void)とは、2種類の金属が接する界面で、互いの原子が拡散する速さが異なるために、速く抜け出す側に原子の空き(空孔)が溜まり、それが集まってできる微小な空洞のことです。1947年に米国のカーケンドールが、銅と黄銅の接合で拡散によって界面の位置が動くこと(カーケンドール効果)を示したことにちなみます。高温で長時間保つほど拡散が進み、空洞が増えて大きくなります。

半導体のパッケージでは、ワイヤボンディングとはんだ接合で問題になります。金のワイヤとアルミニウムのパッドの接合では、高温で金とアルミニウムが互いに拡散して金属間化合物ができ、その過程で接合の界面付近にカーケンドールボイドが生じます。ボイドがつながると接合の強度が下がり、電気抵抗が上がって、最後には接合が剥がれる(ボンドリフト)不良になります。金とアルミニウムの化合物の一部が紫色に見えることから、この劣化はパープルプレーグとも呼ばれました。銅のワイヤとアルミニウムのパッドでは、化合物の成長が金より遅いため、高温での信頼性の面で有利とされています。

はんだ接合では、銅の電極とスズを含むはんだの界面にCu₆Sn₅やCu₃Snといった金属間化合物ができ、高温に長く置くとCu₃Snの層の中や界面にカーケンドールボイドが生じます。ボイドが並ぶと、落下などの衝撃に対して接合が割れやすくなります。対策として、電極にニッケルのめっきを施して銅とスズの拡散を抑えたり、はんだの組成や電極の表面処理を工夫したりします。カーケンドールボイドの発生は、高温放置試験の後にワイヤのプル試験やシェア試験、断面の観察で評価します。

よくある質問(FAQ)

カーケンドールボイドはなぜできるのですか?▾
2種類の金属が接していると互いの原子が拡散しますが、その速さが異なると、速く抜け出す側に原子の空き(空孔)が多く残ります。この空孔が集まって目に見える空洞になったものがカーケンドールボイドで、高温で長時間保つほど増えます。
カーケンドールボイドはどう防ぎますか?▾
拡散を遅くする材料の組み合わせを選ぶのが基本です。はんだ接合では銅の電極にニッケルのめっきを施して銅とスズの拡散を抑え、ワイヤボンディングでは金属間化合物の成長が遅い銅ワイヤを使うなどの方法がとられます。使用温度を下げることも効果があります。

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