アレニウスプロット(Arrhenius Plot)とは、反応や劣化の速さの対数を縦軸に、絶対温度の逆数(1/T)を横軸にとって描いたグラフです。速さkが温度Tに対してアレニウスの式 k=A×exp(−Ea/kBT)に従う場合(Eaは活性化エネルギー、kBはボルツマン定数)、両辺の対数をとると ln k=ln A−(Ea/kB)×(1/T)となり、グラフは直線になります。その傾きから活性化エネルギーEaを求められるのが最大の利点です。
活性化エネルギーは、反応や劣化が起こるために越えなければならないエネルギーの山の高さで、温度に対する敏感さを表します。値が大きいほど、温度を少し上げただけで速さが大きく変わります。半導体では、ドーパントの拡散係数、熱酸化の速さ、CVDの成膜速度などの温度依存をアレニウスプロットで整理します。CVDでは、低温の反応律速の領域では直線の傾きが急で、高温の供給律速の領域では傾きが緩やかになるため、グラフが折れ曲がる点から律速の切り替わりの温度がわかります。
信頼性の評価では、アレニウスプロットは加速試験の結果を実際の使用条件に換算するために使われます。たとえば、高温で行ったHTOL試験やエレクトロマイグレーション試験で、いくつかの温度での寿命を測り、寿命の対数を1/Tに対して描くと、傾きから活性化エネルギーが求まります。この値を使って、試験の温度と実際の使用温度の間の加速係数を計算し、実使用での寿命や故障率を推定します。複数の故障の仕組みが混ざっていると直線にならないため、プロットの形から故障の仕組みが変わっていないかを確かめることも重要です。