DPPM(Defective Parts Per Million)とは、出荷した製品100万個あたりに含まれる不良品の数を表す品質指標です。テストをすり抜けて市場へ流出した不良、いわゆるテストエスケープの量を定量化したもので、顧客との品質保証契約における中心的な数値になります。
要求水準は用途で大きく異なります。民生機器では数百DPPMが許容される場合もありますが、車載向けでは1桁DPPM、機能安全に関わる部位では0 DPPMを目標として掲げるのが一般的です。1個の不良が事故につながりうる用途では、テストコストをかけてでも流出を抑える判断になります。
DPPMを下げる手立ては、テスト側と設計側の両方にあります。テスト側では故障カバレッジを上げる(縮退故障だけでなく遷移故障やIDDQも見る)、実使用に近い条件で検証するSLTを追加する、バーンインで初期不良を落とす、といった方法です。設計側では、DFT構造の充実とテスト容易性の確保が前提になります。
ただしテストを厚くすればコストが増え、さらにオーバーキル(良品を不良と誤判定する)のリスクも上がります。接触不良やノイズによる誤判定は、歩留まりを不当に下げるだけでなく、真の不良の統計を歪めます。DPPMの管理は、流出とオーバーキルの両方を睨んだバランス調整になります。
近年は、テスト結果の統計解析でこのバランスを取るアプローチが広がっています。同一ウェハ内の近傍ダイと比べて測定値が外れている個体を不良扱いにするPAT(Part Average Testing)や、良品履歴に応じて試験項目を増減させるアダプティブテストは、いずれもDPPMとテストコストの両立を狙った手法です。