抜き取り検査とは

Sampling Inspection

最終更新:2026-10-03・品質管理・半導体テスト装置|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

抜き取り検査とは?

抜き取り検査とは、製品のロットからいくつかの試料を抜き取って検査し、その結果からロット全体の合否を判定する方法です。全数検査より手間と費用を減らせ、AQL(合格品質水準)を基準にした抜き取り方式が規格化されています。半導体では受け入れ検査やインライン計測、信頼性試験の試料数の決定などに使われます。

定義・解説

抜き取り検査(Sampling Inspection)とは、製品のまとまり(ロット)からいくつかの試料を抜き取って検査し、その結果からロット全体を合格とするか不合格とするかを判定する検査の方法です。すべての製品を検査する全数検査に比べて、検査の手間と費用を大きく減らせます。検査で製品を壊してしまう破壊検査や、数が非常に多い製品で特に有効です。

抜き取り検査では、ロットの大きさに応じて抜き取る数と、不良がいくつまでなら合格とするか(合格判定個数)を、あらかじめ決めた計画(抜き取り方式)に従って決めます。代表的なのが、合格とする品質の水準(AQL:合格品質水準)を基準にした方式で、国際規格のISO 2859や日本のJIS Z 9015に表として定められています。抜き取りには、良いロットを誤って不合格にする危険(生産者危険)と、悪いロットを誤って合格にする危険(消費者危険)が必ず伴い、それぞれのロットの品質に対する合格の確率を表したOC曲線で方式の性能を評価します。

半導体では、さまざまな場面で抜き取りの考え方が使われます。部品や材料の受け入れ検査、出荷前の品質の確認、製造ラインのインライン計測で、ロットから数枚のウェハやウェハ内の数点を測るのも抜き取りの一種です。信頼性試験では、決められた故障率を一定の信頼度で保証するために、何個の試料を何時間試験して故障が何個以下ならよいかを、統計的に決めます。ただし、抜き取り検査は合格したロットの中に不良品がないことを保証するものではないため、不良率をppm単位で抑える必要がある製品では、全数に対する電気的な試験やスクリーニングと組み合わせて品質を保証します。

よくある質問(FAQ)

抜き取り検査と全数検査はどう使い分けますか?▾
検査で製品を壊す場合や、数が多く全部を検査すると費用がかかりすぎる場合は抜き取り検査を使います。一方、不良品が1つでも出ると重大な影響がある場合や、検査を自動で安く行える場合は全数検査を使います。半導体では電気的な試験は全数、品質の確認や破壊試験は抜き取りが一般的です。
AQLとは何ですか?▾
Acceptable Quality Level(合格品質水準)の略で、抜き取り検査で合格としてよいと考える不良率の上限の目安です。AQLとロットの大きさから、ISO 2859やJIS Z 9015の表に従って、抜き取る数と合格判定個数を決めます。

関連カテゴリ

関連用語

同じトピックの用語

テスト装置・信頼性・劣化メカニズム のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

アドバンテスト日本エスペック日本Teradyne(テラダイン)米国Aehr Test Systems米国Cohu米国トリオテック・インターナショナルシンガポール

比較・違いを学ぶ

ウェハテストと最終テストの違い(半導体テスト工程比較)
ウェハテスト(Wafer Test / CP:Circuit Probe)はウェハ状態のままプローバーで各ダイの電気特性を測定し、不良ダイを封止前に弾く工程です…
→
HTOLとバーンインの違い
どちらも高温で電圧をかけて動作させる試験のため混同されがちですが、位置づけはまったく違います。片方は製品の選別工程であり、もう片方は設計・プロセスの信頼性を認定…
→
ATPGとBISTの違い(テストパターンをどこで作るか)
どちらもDFT(テスト容易化設計)の枠組みに属する技術ですが、テストの実行主体が外にあるか内にあるかという点で対照的です。実際のSoCでは両者を組み合わせ、メモ…
→
HASTとPCT(プレッシャークッカー試験)の違い
樹脂で封止した半導体パッケージは、長い時間をかけて水分を吸い込みます。その水分による不良を、実際の何年分も待たずに確かめるのが耐湿性の加速試験です。代表的なHA…
→
← 用語集に戻る用語集をExcel・PDFで使う →