PCT(Pressure Cooker Test:プレッシャークッカー試験)とは、半導体のパッケージなどを、圧力鍋のように加圧した高温の飽和水蒸気の中に置き、湿気に対する耐性を短い時間で評価する加速試験です。代表的な条件は、温度121℃、相対湿度100%、約2気圧の飽和水蒸気で、電圧をかけずに数十〜数百時間さらします。オートクレーブ試験とも呼ばれ、JEDECの規格(JESD22-A102)などで条件が定められています。
半導体のパッケージの多くは樹脂で封止されていますが、樹脂は水分を完全には防げず、長い時間をかけて内部へ水分が入り込みます。入り込んだ水分がアルミニウムのパッドや配線に届くと、樹脂や汚れに含まれるイオンと一緒に腐食を起こし、断線の原因になります。また、水分は樹脂とチップやリードフレームの界面を剥がれやすくします。PCTは、高温・高圧で水分の浸入を大きく加速し、こうした不良が起きないかを短時間で確かめます。
湿気に対する試験には、PCTのほかにも条件の違う試験があります。85℃・85%で電圧をかけながら1,000時間程度さらす高温高湿バイアス試験(THB)や、それを130℃・85%などの不飽和の加圧条件で加速し、電圧をかけるHAST(高加速温度湿度ストレス試験)です。PCTは100%の飽和蒸気で結露が起きやすく、実際の使用環境とかけ離れた不良が出ることもあるため、近年は電圧をかけない不飽和条件のHAST(uHAST)に置き換えられる場合もあります。