PCT(プレッシャークッカー試験)とは、半導体パッケージを圧力鍋のように加圧した高温の飽和水蒸気(121℃・100%・約2気圧)にさらし、湿気に対する耐性を短時間で評価する加速試験です。樹脂から入り込んだ水分によるパッドの腐食や界面の剥がれを確かめます。電圧をかけるHASTやTHBと使い分けられます。
目次7項目
- 定義・解説
- 図解
- 紛らわしい言葉の切り分け
- よくある質問
- 設備の製造メーカー
- 関連用語
- 比較・違いを学ぶ
定義・解説
PCT(Pressure Cooker Test:プレッシャークッカー試験)とは、半導体のパッケージなどを、圧力鍋のように加圧した高温の飽和水蒸気の中に置き、湿気に対する耐性を短い時間で評価する加速試験です。代表的な条件は、温度121℃、相対湿度100%、約2気圧の飽和水蒸気で、電圧をかけずに数十〜数百時間さらします。オートクレーブ試験とも呼ばれ、JEDECの規格(JESD22-A102)などで条件が定められています。
半導体のパッケージの多くは樹脂で封止されていますが、樹脂は水分を完全には防げず、長い時間をかけて内部へ水分が入り込みます。入り込んだ水分がアルミニウムのパッドや配線に届くと、樹脂や汚れに含まれるイオンと一緒に腐食を起こし、断線の原因になります。また、水分は樹脂とチップやリードフレームの界面を剥がれやすくします。PCTは、高温・高圧で水分の浸入を大きく加速し、こうした不良が起きないかを短時間で確かめます。
湿気に対する試験には、PCTのほかにも条件の違う試験があります。85℃・85%で電圧をかけながら1,000時間程度さらす高温高湿バイアス試験(THB)や、それを130℃・85%などの不飽和の加圧条件で加速し、電圧をかけるHAST(高加速温度湿度ストレス試験)です。PCTは100%の飽和蒸気で結露が起きやすく、実際の使用環境とかけ離れた不良が出ることもあるため、近年は電圧をかけない不飽和条件のHAST(uHAST)に置き換えられる場合もあります。
図解
近年は、PCTの代わりにuHASTが使われることも多い。紛らわしい言葉の切り分け
HASTとPCT。どちらもパッケージの耐湿性を短時間で調べる加速試験です。PCTは飽和水蒸気の中で、ふつう電圧をかけずに試験します。HASTは飽和しない加圧条件で、ふつう電圧をかけながら試験し、高温高湿バイアス試験を大幅に短縮できます。 比較記事 →
よくある質問(FAQ)
PCTとHASTの違いは何ですか?
PCTは121℃・湿度100%の飽和水蒸気で、電圧をかけずに試験します。HASTは130℃・85%などの不飽和の加圧条件で、通常は電圧をかけながら試験し、電気化学的な腐食をより実際に近い形で加速します。電圧をかけないHASTはuHASTと呼ばれます。
PCTで何がわかりますか?
パッケージの中へ水分が入り込んだときに、アルミニウムのパッドや配線の腐食、樹脂とチップ・リードフレームの界面の剥がれなどの不良が起きないかがわかります。封止樹脂やチップの保護膜の耐湿性を比べるのに使われます。
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