金属CMP装置メーカー3社

金属CMP装置とは、銅(Cu)・タングステン(W)・コバルト(Co)などの金属配線材料を選択的に研磨・平坦化するCMP装置です。特にCu配線のダマシンプロセスでは、Cu過剰分とバリアメタル(TaN/Ta)を段階的に除去して埋め込み配線を形成する「バリア/Cuの2ステップCMP」が標準工程です。AI SoC・ロジックチップの多層Cu配線(10〜20層)に不可欠で、研磨後の表面抵抗・平坦度・欠陥密度が配線性能に直結します。

メーカー 3 社同じ分野の装置 5 カテゴリ
掲載する

主要特徴

Cuダマシン=Cu電解めっきで溝を充填→CMPで余剰Cu・バリアメタルを研磨・除去
2ステップ研磨:Step1(Cu高速除去)→Step2(バリア/Cu仕上げ)でディッシング最小化
スラリー:H₂O₂酸化剤+BTA腐食抑制剤+コロイダルシリカ粒子で選択比を制御
Co配線(14nm以下)・Ru配線(3nm以下)への対応が最新の技術課題
Applied Materials(Reflexion LK Prime)・Lam Research(Sabre XT)が主要装置

よくある質問

金属CMPとは何ですか?▾
金属CMP(Metal CMP)は銅(Cu)・タングステン(W)・コバルト(Co)などの金属薄膜をCMPで研磨・平坦化する工程です。ダマシンプロセスでは絶縁膜に溝を掘って金属を埋め込み、CMPで余剰金属を除去して埋め込み配線を形成します。Cu配線の多層化が進む先端ロジックチップで不可欠な工程です。
Cu CMPで「ディッシング」が起きるのはなぜですか?▾
ディッシング(Dishing)はCu CMPで幅広い配線パターンの中央部が過剰に研磨されてくぼむ現象です。原因は研磨パッドの弾性変形で、広い金属面では中央部の圧力が低下してCuが優先的に除去されます。BTA(ベンゾトリアゾール)腐食抑制剤でCuの溶解速度を制御し、スラリー選定と研磨圧を最適化することで抑制します。
タングステンCMPはいつ使われますか?▾
タングステン(W)CMPはコンタクトホール(M0)のタングステンプラグ形成に使われます。タングステンはCuより硬く腐食しにくいため、CMPにはフェリシアン化物酸化剤+シリカスラリーが使われます。応力が高くウェハ表面の欠陥管理が重要で、先端ロジックではMo(モリブデン)配線への移行が研究されています。
金属CMP装置の主要メーカーはどこですか?▾
Applied Materials(Reflexion LK Prime)と荏原製作所(F-REX)が金属CMP装置の中心で、荏原はW・Cu CMPで高いシェアを公表しています。韓国ではKCTechも参入しています。スラリーはEntegris(旧CMC Materialsを統合)・フジミインコーポレーテッドなどが主要サプライヤーです。なおLam ResearchのSABRE 3DはCuめっき(電解めっき)装置で、CMP装置ではありません。

スペック比較

複数の機種が掲載している項目を並べています。

項目Applied MaterialsReflexion LK CMPApplied MaterialsOpta™ CMP荏原製作所F-REX300X東京精密(Accretech)ChaMP211
対応ウェハ径300 mm—300 mm100/150/200 mm(研磨ヘッドは2〜8インチ)
主要用途Cuダマシン配線のCMP—Cu・W・バリアメタルの研磨SiC・MEMS・マイクロLED・SAWフィルターの研磨
1機種だけが掲載している項目(13件)
研磨・洗浄モジュール数7(上位機 Reflexion LK Prime は 14)———
対象膜銅配線・low-k絶縁膜———
関連機種Reflexion LK Prime CMP(上位機種)———
構成—マルチチャンバー研磨+最大 10 洗浄モジュール——
研磨対象—メタル・非メタル——
方式—1 ステップのバッチ研磨・多段の逐次研磨——
トップリング数——4—
ターンテーブル数——4—
洗浄ユニット数——6—
位置づけ———小型CMP装置
研磨ヘッド———エアフロートヘッド「Sylphide」(ゾーン制御はオプション)
対応範囲———研究開発・試作から量産まで(仕様変更に対応)
シリーズ構成———ChaMP211/ChaMP232(200 mm)/ChaMP332(300 mm)

※ スペックは各メーカーの公開情報に基づく参考値です。メーカーが公表していない項目は「—」としています。正確な仕様はメーカーへお問い合わせください。

代表製品・スペック

製品写真
Applied Materials

Reflexion LK CMP

銅配線とlow-k絶縁膜の組み合わせを対象としたCMPプラットフォーム。脆いlow-k膜へのダメージを抑えつつ銅ダマシン配線を平坦化する。

対応ウェハ径300 mm
研磨・洗浄モジュール数7(上位機 Reflexion LK Prime は 14)
対象膜銅配線・low-k絶縁膜
関連機種Reflexion LK Prime CMP(上位機種)
主要用途Cuダマシン配線のCMP
製品写真
Applied Materials

Opta™ CMP

マルチチャンバーの研磨と最大 10 の洗浄モジュールを組み合わせたモジュール型 CMP プラットフォーム。

構成マルチチャンバー研磨+最大 10 洗浄モジュール
研磨対象メタル・非メタル
方式1 ステップのバッチ研磨・多段の逐次研磨
製品写真
荏原製作所

F-REX300X

荏原製作所のCMP装置F-REX型の標準機。300mmラインでの採用実績を持ち、金属膜からバリアメタルまでの多段研磨に対応する。

対応ウェハ径300 mm
トップリング数4
ターンテーブル数4
洗浄ユニット数6
主要用途Cu・W・バリアメタルの研磨
製品写真
東京精密(Accretech)

ChaMP211

量産ライン向けのCMP技術を小型機に載せた東京精密のCMP装置。φ100〜200mmに対応し、SiC・MEMS・マイクロLED・SAWフィルターなどの研磨を想定している。

位置づけ小型CMP装置
対応ウェハ径100/150/200 mm(研磨ヘッドは2〜8インチ)
研磨ヘッドエアフロートヘッド「Sylphide」(ゾーン制御はオプション)
対応範囲研究開発・試作から量産まで(仕様変更に対応)
シリーズ構成ChaMP211/ChaMP232(200 mm)/ChaMP332(300 mm)
主要用途SiC・MEMS・マイクロLED・SAWフィルターの研磨

※ スペックは公開情報に基づく参考値です。正確な仕様はメーカーへお問い合わせください。

メーカー

3社の主要メーカー

Applied Materials米国

世界最大の半導体製造装置サプライヤー。成膜、除去、改質、分析の包括的な製品ポートフォリオで、ウェーハ製造の全工程をサポート。

成膜装置
CVDPVDALD
エッチング装置
エッチングシステム
CMP・イオン注入
CMP装置イオン注入装置
  • •世界最大の半導体製造装置サプライヤー
  • •成膜、除去、改質、分析の包括的な製品ポートフォリオ
会社詳細
荏原製作所日本

CMP(化学機械研磨)装置と半導体製造用真空ポンプ・除害装置の大手。ポンプ・精密機械・環境事業を軸に、半導体製造インフラを幅広く支える。

CMP装置
FREX(300mm CMP)F-REX(先端CMP)
真空ポンプ
EV-Aシリーズ(ドライ真空)除害装置
  • •CMPシステムで世界シェア上位。前工程の平坦化プロセスに不可欠
  • •ドライ真空ポンプ・スクラバーでクリーンルームの排気・除害を担う
会社詳細
東京精密(Accretech)日本

日本の精密計測・半導体製造装置メーカー。ウェーハプロービングシステムおよびダイシング装置で高い技術力を誇る。

プロービングシステム
ウェーハプローバー自動プローブステーション
ダイシング・研削装置
ダイシングソーウェーハ研削装置
CMP装置
ChaMP 332(300mm)ChaMP 232(200mm)
  • •ウェーハプローバーにおける高精度計測技術
  • •ダイシングソーおよび研削装置の製造実績
会社詳細

同じ分野の装置カテゴリ

関連用語

比較・違いを学ぶ

Cu-CMPとW-CMPの違い(メタルCMPの比較)
メタルCMPは、配線を作るための「余分な金属を削り落とす」工程です。銅ダマシン配線の余剰Cu除去と、コンタクトプラグのタングステン除去という二大用途がありますが…
→
銅配線とコバルト・ルテニウム配線の違い(先端ノード配線材料の比較)
半導体の銅(Cu)配線は1997年にIBMが量産化して以来、ロジックチップの標準配線材料です。しかし5nm以下の先端ノードでは配線幅が10nm以下になり、銅の有…
→
セリアスラリーとシリカスラリーの違い(CMP砥粒の比較)
CMPスラリーの性能を決めるのは砥粒だけではありませんが、砥粒種の選択はプロセスの性格を大きく規定します。セリアとシリカは、同じ「ナノ粒子を分散させた研磨液」で…
→
銅配線とアルミ配線の違い(半導体配線の比較)
アルミ配線は古くから使われた成膜+エッチングで形成する配線、銅配線は低抵抗・高信頼性を求めて導入されたダマシン(溝埋め込み)で形成する配線です。1990年代後半…
→
CMPとエッチバックの違い|平坦化手法を比較
どちらもウェハ表面を平坦化する技術ですが、メカニズムが根本的に異なります。CMPは研磨剤(スラリー)と研磨パッドを使った化学・機械的研磨で、ナノメートル精度の大…
→
エロージョンとコロージョンの違い
エロージョンとコロージョンは、どちらも材料が失われていく現象で、日本語の「侵食」と「腐食」も似ているため混同されがちです。半導体の工程では、どちらも配線の不良に…
→
← 半導体装置カテゴリ一覧に戻る