最終更新 2026-10-07

スクラッチとは(CMP傷)

CMP Scratch

スクラッチとは、CMP工程でウェハ表面に生じる長さ数μm〜数百μmの線状の傷です。犯人はナノサイズの砥粒そのものではなく、スラリーの凝集粒子・パッドやリングの摩耗片といった桁違いに大きな異物です。軟らかい銅配線と脆いlow-k膜で発生しやすく、ポイントオブユースフィルタによるろ過と消耗部品の摩耗管理が主な対策になります。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連する製品
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ

定義・解説

スクラッチとは、CMP工程でウェハ表面に生じる線状の傷です。長さは数μmから数百μm、深さは数nmから数十nmに及び、金属配線層で発生すれば断線やショートを、絶縁膜で発生すれば後続の金属埋め込みによるリークを引き起こすため、CMP固有の致命欠陥として管理されます。

主な原因は異常粒子です。スラリー中の砥粒が凝集して大きな塊になる、パッドやリテーナリングの摩耗片が混入する、前工程の残渣が持ち込まれる、あるいは研磨屑が再凝集する。これらがウェハとパッドの間に挟まって引きずられると、そのまま線状の傷になります。ナノサイズの砥粒そのものではなく、桁違いに大きな異物が犯人であるのが典型です。

スクラッチが出やすいのは、軟らかい材料と脆い材料です。銅配線は軟らかく傷が残りやすく、low-k絶縁膜は多孔質で機械的に弱いため、圧力を上げると傷や剥離が生じます。微細化に伴って許容される傷の寸法も小さくなるため、検査装置の検出感度を上げると今度は膨大なノイズを拾うという難しさもあります。

対策は発生源ごとに分かれます。スラリーは使用直前にポイントオブユースフィルタでろ過し、凝集粒子を捕まえます。供給ラインでは低せん断のポンプを使って砥粒を壊さず運びます。パッドとリングは摩耗を監視して定期交換し、コンディショニング条件も見直します。そして研磨圧力を必要以上に上げないことが基本です。

検出は、研磨後の表面検査装置(ダークフィールドの光学検査やeビーム検査)で行います。スクラッチは同心円状や放射状といった特徴的な形状で現れることが多く、その向きと位置から発生源を推定できます。傷は一度発生すると救済できないため、CMPでは事後検出よりも発生源の管理が重視されます。

図解

CMPスクラッチの原因(凝集粒子・パッド片・リング摩耗片・固着スラリー)と対策
長さ数μm〜数百μmの線状の傷。少数の大きな粒子の管理がすべて。

関連するデータ・ツール

計算・換算ツールCMP除去速度計算ツール(Preston式)

この用語を扱う職種

前工程(ウェハプロセス)CMPエンジニア(化学機械研磨工程)

よくある質問(FAQ)

スクラッチの原因は研磨用の砥粒ですか?
通常は違います。犯人は、スラリー中で凝集した異常粒子、パッドやリテーナリングの摩耗片、前工程からの残渣といった、本来の砥粒より桁違いに大きな異物です。これらがウェハとパッドの間に挟まって引きずられ、線状の傷になります。
どの材料でスクラッチが問題になりますか?
軟らかい銅配線と、多孔質で機械的に弱いlow-k絶縁膜です。銅は傷が残りやすく、low-kは圧力を上げると傷や剥離が生じます。微細化に伴い許容される傷の寸法も小さくなるため、検査感度と歩留まりの両立が難しくなります。
スクラッチはどう防ぐのですか?
スラリーを使用直前にポイントオブユースフィルタでろ過して凝集粒子を捕らえる、低せん断ポンプで砥粒を壊さず搬送する、パッドとリングの摩耗を監視して定期交換する、研磨圧力を必要以上に上げない、という発生源対策が基本です。

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

Planargem®Entegris・パッドコンディショナー

関連する装置カテゴリ

同じトピックの用語

CMP・平坦化 のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

Applied Materials米国荏原製作所日本岡本工作機械製作所日本KCTech(ケーシーテック)韓国デュポン(DuPont)米国ニッタ・デュポン日本

比較・違いを学ぶ