GLOSSARY

研磨ヘッド(キャリアヘッド)とは

Polishing Head / Carrier Head
最終更新:2026-08-25CMP装置パッドコンディショナー

研磨ヘッド(キャリアヘッド)とは?

研磨ヘッド(キャリアヘッド)とは、ウェハを保持して研磨パッドに押し付ける機構部で、面内均一性を作り込む主役です。現代の標準はメンブレン方式で、ウェハ裏面に接する弾性膜を同心円状に5〜7ゾーンへ分割し、各ゾーンの空気圧を独立制御して膜厚プロファイルを追い込みます。ヘッドとプラテンの回転数比と揺動も均一性を左右します。

定義・解説

研磨ヘッド(キャリアヘッド)とは、CMP装置でウェハを保持し、回転させながら研磨パッドへ押し付ける機構部です。ウェハに加わる圧力の分布を決める部品であり、面内均一性(WIWNU)を作り込む主役として、CMP装置の性能を最も強く規定する要素の一つです。

現代の標準はメンブレン方式です。ウェハ裏面に接する弾性膜(メンブレン)を同心円状に複数のゾーンへ分割し、各ゾーンへ独立に空気圧を与えることで、中心部と外周部の研磨圧を別々に制御します。ゾーン数は5〜7が一般的で、研磨結果の膜厚プロファイルを見ながら各ゾーン圧を調整して、凹んだ領域の圧力を上げるという追い込み方をします。

ウェハの保持には、バッキングフィルム(多孔質のシート)による水膜の吸着力を使う方式と、真空吸着を併用する方式があります。研磨中はウェハをパッドに押し付けるだけでよいため強い保持力は不要ですが、搬送時の受け渡しでは確実に保持する必要があり、この切り替えの信頼性が装置の連続稼働性に関わります。ウェハ外周はリテーナリングが押さえます。

ヘッドの回転数とプラテンの回転数の比、そしてヘッドの揺動(オシレーション)も重要なパラメータです。ウェハ上の各点がパッド上を通過する相対速度と軌跡が均一になるよう設計されており、これが崩れると同心円状の膜厚むらとして現れます。研磨レートは相対速度と圧力の積に比例するというPrestonの式の枠組みで理解されます。

主要な装置メーカーはApplied Materials(Reflexionシリーズ)・荏原製作所(FREXシリーズ)で、韓国のKCTechも自国メモリ向けに供給しています。ヘッドの多ゾーン化とリアルタイム膜厚計測の組合せにより、ウェハ1枚ごとにプロファイルを補正する制御が実用化されています。

よくある質問(FAQ)

メンブレン方式とは何ですか?
ウェハ裏面に接する弾性膜を同心円状に複数ゾーンへ分割し、各ゾーンへ独立に空気圧を与えて研磨圧の分布を制御する方式です。ゾーン数は5〜7が一般的で、研磨後の膜厚プロファイルを見ながら凹んだ領域のゾーン圧を上げる、という追い込み方をします。
ヘッドとプラテンの回転数比はなぜ重要ですか?
ウェハ上の各点がパッド上を通過する相対速度と軌跡を決めるためです。研磨レートは相対速度と圧力の積に比例する(Prestonの式)ので、この分布が崩れると同心円状の膜厚むらとして現れます。ヘッドの揺動も併せて設計されます。

設備の製造メーカー

Applied Materials米国

世界最大の半導体製造装置サプライヤー。成膜、除去、改質、分析の包括的な製品ポートフォリオで、ウェーハ製造の全工…

企業詳細を見る →
荏原製作所日本

CMP(化学機械研磨)装置と半導体製造用真空ポンプ・除害装置の大手。ポンプ・精密機械・環境事業を軸に、半導体製…

企業詳細を見る →
KCTech(ケーシーテック)韓国

韓国のCMP装置・洗浄装置メーカー。サムスン電子・SKハイニックスのメモリラインを主要顧客とし、CMP装置とポ…

企業詳細を見る →
岡本工作機械製作所日本

精密研削・研磨装置の老舗メーカー。半導体向けバックグラインダー・ポリッシャー・CMPなど、ウェハ薄化と平坦化工…

企業詳細を見る →

関連カテゴリ

CMP装置
パッドコンディショナー

関連用語

リテーナリングとは →研磨パッド(CMPパッド)とは →研磨均一性(WIWNU・WTWNU)とは →研磨レート(Prestonの式)とは →CMP(化学機械研磨)とは →CMPとは →

同じトピックの用語

CMP・平坦化 のトピックで関連する用語です。

CMPスラリーとは →パッドコンディショニングとは →メタルCMP(Cu・W研磨)とは →酸化膜CMP(STI-CMP・ILD-CMP)とは →スクラッチ(CMP傷)とは →ストッパ膜(研磨ストップ層)とは →ディッシング(CMP)とは →エロージョン(CMP)とは →

同じトピックの企業

CMCマテリアルズ(Cabot Microelectronics)米国フジミインコーポレーテッド日本デュポン(DuPont)米国ニッタ・デュポン日本フジボウ愛媛(富士紡ホールディングス)日本3M米国

比較・違いを学ぶ

Cu-CMPとW-CMPの違い(メタルCMPの比較)
メタルCMPは、配線を作るための「余分な金属を削り落とす」工程です。銅ダマシン配線の余剰Cu除去と、コンタクトプラグのタングステン除去という二大用途がありますが
セリアスラリーとシリカスラリーの違い(CMP砥粒の比較)
CMPスラリーの性能を決めるのは砥粒だけではありませんが、砥粒種の選択はプロセスの性格を大きく規定します。セリアとシリカは、同じ「ナノ粒子を分散させた研磨液」で
CMPとエッチバックの違い|平坦化手法を比較
どちらもウェハ表面を平坦化する技術ですが、メカニズムが根本的に異なります。CMPは研磨剤(スラリー)と研磨パッドを使った化学・機械的研磨で、ナノメートル精度の大
← 用語集に戻る